『 その手が、結んだもの 』



 何もかもが

 これ以上

 傷つかないように

 痛まないようにと

 両の手を

 そっと添えられ

 生きてゆかれた

 強さとしなやかさの

 マザー


 美味しいものを

 いただくことより

 美味しくいただける

 ことの方を

 大切にされていた

 天女


 どんなものにも

 同じ

 尊いいのちが

 宿っているということを

 お伝え下さっていた

 愛のセオリツ


 野菜ひとつにさえ

 余計な痛みは

 与えないようにと

 優しく

 丁寧に

 皮を剥いてあげられる

 そんな

 神の国のひと


 ことばで伝えるのは

 苦手だからと

 まるで

 素敵な絵本の頁でも

 めくるかのように

 美しい所作でもって

 宇宙の摂理を

 見せてくれていた

 女神

 
 祈りのような人よ


 飽くなき探求の

 時を止め

 いま

 この瞬間の現れを

 真実の味わいを

 ゆっくりと

 噛みしめさせて下さい


 それぞれが

 自らに向きなおり

 手を合わせるとき

 どんな経験の断片も

 幸せな花束へと

 その姿を変えてゆける

 その透明度を

 深めてゆける


 果てを超え

 数限り無く

 その無垢なる手が

 繋ぎ結んだもの


 ちょっぴりしょっぱい

 涙の温もりで

 握って下さっていた

 愛を

 ご縁を

 日々の大切さを


 天国へと召された

 あなたへの

 感謝とともに

 これからも

 伝え生かさせて

 いただきます


 ご馳走さま


 そして


 ありがとう



     (親愛なる、初女さんへ)



 『 free hug! 』ヽ(^。^)丿
 
   今日も出会ってくれて、ありがとう!