『 別れの準備 』


 

 人として

 この地に

 舞い降りた過日


 生まれ出づる

 ときには

 少しも

 怖くなかった


 なのに

 どうして


 死ぬことへの

 恐怖心は

 これほどまでに

 強くなったのだろう


 それは


 私という存在が

 失われることへの

 恐れ


 手に入れたと

 思っているものへの

 執着


 手放すことへの

 無念さ

 後悔


 自我の

 自害なき

 欲求不満


 けれど


 ここは

 現象の世界

 ベクトルの

 行き交う世界


 何だって

 現れるし

 何だって

 消せる


 表があれば

 裏があるように

 生という夢が

 死という夢を見る


 ならば


 そんな

 不安の中にも

 和らげる

 安らげるヒントが

 込められているはず


 拒み続けてきた

 自我の言い訳を

 聞き入れはじめた


 とても小さな

 気づきを築いて

 受け取っては

 認めることを

 くり返した


 決して

 否定はしなかった


 次第に

 緊張を

 緩めていった


 二極のあいだには

 愛という真綿を

 紡いで

 見えない橋を

 架けていった


 行ったり来たりを

 くり返し

 移り変わりを

 経験し


 そして遂には

 何もかもが

 胸に堕ちた


 亡くなることは

 私が消えて

 無くなることでは

 なかった


 エネルギーの

 表現方法が

 柔らかい次元へと

 立ち上り

 私の居場所が

 全体へと

 広がってゆけること


 死んでも

 私という現れが

 あらゆるものへと

 注がれてゆけること


 ひかりの

 粒として

 波として

 星として

 輝いてゆけること


 今ならば

 羽ばたけるくらいに

 すとんと落ちてゆく


 捉えようのない

 漠然とした

 見えない恐怖に

 ただ

 怯えていただけだと


 怖いのは

 死そのものではなく

 痛み

 そして

 それに付随する

 思考の

 苦しみであったと


 だから


 鮮明に

 明確にできたなら

 それは

 克服できること


 抵抗を手放して

 お導きのまま

 その手に

 委ねることが

 出来るから


 私は

 こんなにも

 沢山の愛に

 見守られて

 何て

 幸せものだったのでしょう


 大丈夫


 きっと

 素直に

 ありがとうって

 言える


 大丈夫


 きっと

 笑って

 さようならだって

 できる


 だから


 だから

 もう

 悲しまないで

 心配しないで


 バイバイ

 またね


 ずっと


 ずうっと



 ありがとう



『 free hug! 』ヽ(^。^)丿

   今日も出会ってくれて、ありがとう!