『 この座標 』
自ら作った
限り
線引きした
境界
切り離されてゆく
蜘蛛の糸
自分らしさと呼ばれる
井の中で
どこにも踏み出せず
繋がりも持てずに
気づいたら
ひとりになっていた
個性と謳われる
美しい誤解
それだけが
唯一の友だった
やがて壊れた
すごく順当に
壊れた
堕ちるとこまで
落ち切ったら
天地が
弾け飛んで
気づきだけが残った
孤独が集まって
個を解くってこと
それぞれを
ほどいた先に
ひとつに
結ばれた世界が
見えるってこと
闇が飽和して
光りへと転じ始める
青の刻
わたしをあなたに
捧げたい
すべての正しさを
脱ぎ捨て
わたしらしさを
明け渡し
ひかりの前に
捧げたい
欠片ではなく
一片の愛として
この澄み渡る景色を
分かち合えるように
神さま
どうかわたしの
この座標を
お使い下さい
儚き一糸の
結び目に
ありがとう
今日も来てくれて、ありがとう!