斎藤一所縁の地は本郷周辺にもありましたので、今度はそちらに向かう途中、本郷通りに『おりがみ会館』を見つけ、こちらにも立ち寄ってみました。
▲折り紙で作られた菊の花。花も葉も折鶴で出来ています。
▲見事な藤棚も沢山の小さな折鶴で造られていました。
▲こんなに小さなお道具までも折り紙で造ってしまうとは…
▲折り紙で造られた様々なお雛飾りが展示されていました。
明治維新は折り紙の歴史にも影響を与えました。
子どもの頃に折った折り紙、これらはそのほとんどが伝承折り紙であり、最もポピュラーなものですが、これは明治維新により、日本とヨーロッパの折り紙の伝統が融合されなければ生まれなかったものでしょう。
日本とヨーロッパの折り紙の起源は異なるものだということですが、明治維新がもたらした日欧の文化交流により、双方の折り紙の伝統は互いに輸入輸出され、融合されていったのでした。
フレーベルは19世紀中頃に世界初の『幼稚園』を設立した人物で、その教育法の中に『恩物』という遊具と『手技』という遊戯があり、『手技』の一つに『折り紙』が含まれています。
明治政府は西洋にならい、教育改革を行いましたが、その一端としてフレーベルの幼児教育も採用され、その際に日本とヨーロッパの折り紙の手法が融合して生まれたレパートリーが、今日の伝承折り紙の核となっていったのです。
伝承折り紙は人の手から手へ、世代を超えて伝えられていくものであり、折り紙を折る際、必ずしも全く同じ手法が伝えられていくわけではありません。伝えられた者の発想で、より美しく、あるいはより楽しく遊ぶために工夫がなされていくもので、そこには創造性の広がりがあります。フレーベルが折り紙を手技の一つとして含めたのは、子どもたちの創造性を育む為でした。
しかし、いつしか折り紙教育は教える者の手法を模倣するだけのものになり、創造性を育むという発想から遠ざかって、一旦は教育の分野で影を潜めましたが、現在では創造性の高い作品が多くの作家により制作され、その教育的意味も見直されています。
『おりがみ会館』には和紙の手染めをしている工房もあり、こちらも見学することが出来ました。また、様々な和紙や折り紙、折り紙のレシピなども販売されており、折り紙の実演や教室も開催されています。大河ドラマの『八重の桜』にちなんで、『八重のさくら』という折り紙キットも発売されているようです。新島八重も女性教育に力を注いだ一人でしたが、折り紙を取り入れた幼児教育に携わった海老名リンという女性もまた會津の生まれの人でありました。近いうち、新島八重と海老名リンについても調べてみたいと思っています。
『おりがみ会館』
住所:東京都文京区湯島1-7-14
TEL:03(3811)4025
アクセス:御茶ノ水駅聖橋口から徒歩約10分
開館時間:9:30~18:00
休館日:日曜・年末年始・お盆
参考HP:『おりがみ会館』HP
『k’s折り紙』