七夕と梶の葉 | 徒然探訪録

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日野宿本陣の七夕飾りにも梶の葉が使われていました。

茶道に「葉蓋の扱い」という、涼しさを演出するために、水指の蓋のかわりに、木の葉を蓋とする夏のお点前があります。
裏千家十一代玄々斎宗匠の創案になるもので、ある年、七夕の趣向の茶会で、ご自分の好みの花入の受筒に、梶の葉を蓋にして水指に用いたのが、始まりだということです。

「梶の葉」は、信州の一宮である諏訪大社の神紋とされていますが、梶の木は平安の時代から神聖な木とされ、神社の境内に植えられることが多く、神事に用いられたり、供え物の敷物に使われたりしています。

昔は、願い事や歌を短冊ではなく、梶の葉の裏に書いていました。
京都冷泉家では今でも七夕の行事「乞巧奠」にて、詠んだ七夕の歌を「梶の葉」の裏に書いているとのことです。

梶の木は和紙の原料にも用いられ、紙の象徴とされています。
日本の神話の中にも、天照大神が天の岩戸に身を隠した時、捧げものを用意し儀式の準備をしたのですが、天日鷲神(あめのひわしのかみ)と津咋見神(つくひみのかみ)が、その中に穀(かじ)の木を植えて“白和幣”(しろにきて)という白い繊維の捧げものを作ったという話が伝えられています。  
 
七夕の日には、里芋の葉に受けた清らかな露で墨すみを磨すり、ハート形をした梶の葉に、恋の願いを書き止とどめて川に流すと、その梶の葉は船の楫かじとなり、天の川に届いて、願いが叶えられると言われているそうです。平安時代の『後拾遺ごしゅうい和歌集』にも「天の川とわたる船の梶の葉に思ふ事ことをも書きつくるかな」 といった歌があります。
彦星と織姫の逢瀬に重ねてこのように恋の成就が祈られていたのでしょうか。
こちらについては、愛知県のインターネット公開文化講座、『万葉植物から伝統文化を学ぶ「七夕の節句」』という記事で恋の歌とともに読むことが出来ます。