むかしむかし

さる老舗大企業グループのトップである会長には、大事に育ててきた四姉妹がおりまして

その末っ子天使ちゃんのもとに

ぜひぜひ!我が社に来ていただきたい!

その美貌と将来性、その天使属性(←真顔)を、どうしても我が社のシンボルに欲しいのです!

という新興企業からの縁談が



会長はすぐさま、これは良縁だと言うカミの御告げ、もとい百戦錬磨の直感を信じ、天真爛漫天然箱入り娘体質な天使ちゃんを嫁がせることに…

でも、仲の良い四姉妹を離してしまうのは何だか気が引けるのか

1年ぐらい行ってみて、別に何時でも戻ってきていいからね

などと言って、取り敢えず祝言


だけど

嫁いだ先での天使ちゃん

元来の人見知りが災いしてなかなか心を開くことができません


天使ちゃん、折り畳んでいた『はね』をこっそり出してみます

ぱたぱた

ちょっとはジャンプできるけど

ちゃんと翔べるのはまだまだらしい


頑張れってことかなぁ

て天使ちゃんは考えた

で、

ますます先頭に立って頑張ってみる



新興企業の方でも、老舗というブランド力と天使ちゃんのあまりにも天使な容姿が相まって、なかなか気安く話しかけることができません

老舗には老舗の考え方があり、それを分かってもらうにはどうすればいいのか

もしかして、分かり合えないのか


微妙な距離感のまま、それでも次々と仕事はやって来るわ、問題は起こるわ…


でも、この天使ちゃん

顔に似合わず、些細なことはすぐに忘れて前にすすむ、猪突猛進型天使ちゃんなので、多少のことは笑顔でかわし、もくもくと仕事を続けます


天使ちゃんのもとで一緒に仕事をする周囲の人達も、こうやって一緒に過ごす時間が増えてくると、ただただクールビューティっぷりに恐れおののいていたけど

何だかそれだけじゃない、ちょっとした人間らしさを垣間見ることもできるようになり…


この人…実はかなりの天然なんじゃ…


とか親近感を覚えて嬉しくなって

ね、聞いて、うちの天然ちゃんてばさぁ…

とか他人に話せるまで距離は縮まったかに見えたある日




天使ちゃんは、ふと考えた

折り畳んであった『はね』を、ちょっと出してみた



ぱたぱた

ぱたぱた


上に浮かんで軽くなった自分にちょっと驚く


見下ろせば、ずいぶん立派になった社屋がそこにあった


ぱたぱた

ぱたぱた


まだまだ

まだまだ


世界は広い


行ってみよう


あらたな世界へ


自分ひとりの力でハバタイテミヨウ



そして、




出戻ってきた末っ子天使ぴーさんに、長女のかざぽんは、昔と変わらず優しく、ぽんぽんと頭を撫でてくれた(←この場合、かざぽんの身長を優くんの身長と見なす)




てな絵ヅラが私の脳裏に浮かんだのだった、昨夜。