

「だいだい」
買ったものの、
どうしたものか。
士魂商才(しこんしょうさい):
武士の精神と商人としての抜け目ない才能とを併せもっていること。実業家のモラルとして言われる語。「士魂」は武士の精神。「商才」は商売の才能。もともとの言葉は「和魂洋才」という四字熟語で、「武士の精神と商人の知恵」という意味の造語。
注:
お祭りの露天商のように、思いがけないところで販売されていると、ついつい目が行ってしまうものである。隣町の商店街へ足を伸ばしたので、ぶらぶら町並みを見物していたところ、オフィスの窓越しに「100円」と値札の付いた蜜柑と梅干しが並んでいた。あまりに意外な光景に、近づいてみたところ、事務所の中にいた奥様がとんできた。「中へどうぞ」と手招きされると思ったら、商品越しの窓をガラガラ開け始めた。あまりの展開に驚いていると、庭木に実ったものや、趣味の手芸を販売していると、情熱的な説明が始まった。ここまでくると「見てただけ」とは言えなくなり、柑橘を購入したものの、これがなんと“だいだい”であった。お供えものにもならないが、湯豆腐にする気分でもない。金庫屋さんだけあって、手堅い商売だったなあ、情熱こそが利益を生むんだな、…という、営業の基本。