鬼滅の刃柱擬古編 最終話の感想です。
前回の後半、ほのぼのムードから急転直下の展開。
よもやの、首藤対面。
無惨が産屋敷家の門をやすやすと通り、お館様の部屋の前まで来る場面が、様々な視覚効果をインサートして約2分30秒。
「なんと醜悪な姿だな。産屋敷」
無惨の嘲りの言葉からタイトルがででーん。
緊迫感がスゴイすごい。
お館様、実は半年も前に余命宣告というか、もうすぐ亡くなると医者に言われていたなんて。
無限列車編で煉獄さんに「私も、すぐに逝く」といったのは、本当のことだったんだ。
驚きなのは、産屋敷と無惨は同じ血族だという事。
一族から鬼が出てしまった呪いで、生まれてくる子供はみな病弱ですぐに死んでしまう。
神主の助言で、「鬼」を倒すことに心血を注ぎ、神職から妻を娶ることで子供のうちに亡くなるという事は減ったが、それでも30歳までは生きられない。
ちなみに、お館様は23歳。
若いですよね。
無惨も、二十歳までは生きられないと言われ、薬師の薬を飲んで生きながらえていたわけだから、確かに呪いかも。
無惨は、「迷言もここに極まれりだ」と辟易した様子。
自分には何の天罰も下っていない。
何百何千と人を殺しても、許されている。
千年間で、神にも仏にも会ったことがない。
と強気の発言。
無惨様って、やっぱり平安時代の人だから、神とか仏といったものに一応の畏敬の念が残っているみたいですね。
自分が神罰下るようなことをしている自覚は十分持っていて、これだけやってきても何もないから「許されている」と…
なんで、無惨に神罰下らなかったのか。
どうして、同じ血族の産屋敷に「呪い」という形で鬼の討伐をするように仕向けたのか…
無惨様って、自然発生的に生まれたのではなく、人間が調合した薬によって変化したものだから、神様が手を下すよりも人の力で決着つけさせようという事なんですかね。
自分は神様に許された存在と奢る無惨に、お館様はいつも隊士たちに語り掛けているのと同じトーンで、静かに言葉を紡いでいきます。
千年間夢いてきたことは何だと問われ、無惨は奇妙な感覚を覚えます。
憎しみがわかず、懐かしさや安堵感さえ感じるのでした。
鬼の頭領のすぐ横で、数え歌をうたいながら紙風船遊びをする娘たち。
穏やかな光景だけれど時刻は夜です。
この違和感。
産屋敷を殺す気満々できた無惨にとっては、本当に気色悪い空気感でしょう。
完全に「産屋敷家」に飲まれてしまっている無惨に、お館様は「君は永遠を夢見ている。不滅を夢見ている」と断言。
無惨様も、あっさり肯定。
禰豆子を手に入れれば叶うと、こちらも断言。
お館様のすぐそばまで、土足で上がってきます。
さあ、ここからがお館様の真骨頂。
最大の見せ場。
「永遠とは、人の想いだ」
人の想いこそが永遠で不滅。
その根拠として、この千年間「鬼殺隊」はなくならなかった。
この事実が、人の想いが不滅であるという証拠。
「大切な人の命を理不尽に奪ったものを許さない」という想いは不滅。
無惨は、誰にも許されていない。
許された存在と奢る無惨を、静かな声でバッサリ。
赤く染まった紙風船が無惨の上に降り積もって、辺りや彼を赤く照らす演出が、きれいで怖い。
そして、柱や炭治郎たちを虎や龍に例え、虎や龍を起こし逆鱗に触れた。
彼らはずっと君をにらんでいると追い詰めるあたりは、ゾクゾクしました。
当主が変わろうともその思いを繋げて今日まで続いてきた鬼殺隊に対し、鬼は無惨が死ねば滅ぶのだろうと、断定的に問いかけるお館様。
それにしても、当主である自分はそれほど重要ではないのだというあたり、、、
代々の当主は、自分の命を守ろうとしなかったという歴史もかんがみると、「産屋敷家」が何に重きを置いてきたのか、その執念に息をのみます。
図星を刺されたのか、ポーカーフェイスの無惨に変化が。
怒りを込めた「黙れ」が、おっかない。
もういい。と、自分を殺せと言うお館様だけど、自分を殺したら慕ってくれている鬼殺隊頂点の剣士「柱」を中心に、全力で敵を取りに行くと断言。
冷静に言われると、メチャクチャ怖い。
こんなに話を聞いてくれるとは思わなかった、ありがとうと礼を言うお館様。
冷静な顔しながら、怒り心頭の無惨がお館様に手を伸ばす。
鎹烏の招集で、産屋敷邸に急ぐ柱たち。
ピリピリとした緊張感で、ハラハラ感マックス。
柱たちが、静かな産屋敷邸にまだ間に合うと思ったその瞬間、お館様の部屋に一瞬で火の手が!
ひと思いに殺すのではなく、火責めで焼き殺そうとは、なんて陰険なことをするんだ無惨は!!
と怒った瞬間、産屋敷邸爆散。
一瞬にして、燃え上がる劫火。
大量の爆薬と、人の肉が焼ける匂いに、義勇さんと一緒に駆け付けた炭治郎は驚愕。
もちろん、柱たちも呆然。
火だるまになって引き飛ばされた無惨が、再生するときの姿がけっこうグロい。
お館様の穏やかな表情と声に完全に調子を狂わされ、惑わされた無惨。
屋敷耀哉の執念と怒りのすごさを身をもって知ったのでした。
一人反省会をしながら肉体再生している無惨に、新たな攻撃。
何者かの血気術による、とげ攻撃+どこからか現れた珠世さん。
休む間も与えない攻撃に、見ている私もパニック。
無惨に飲み込ませた腕に仕込んだのは、しのぶさんと共同開発した「鬼を人に戻す薬」だと、勝ち誇った顔の珠世さん。
こんな苛烈な表情する人だったんだ。
子供の行く末を案じ、死の間際に鬼になることを選んだのに、夫や子供を食い殺してしまったことで自暴自棄となり、無惨と一緒に多くの人を殺してきた償い。
それが、鬼である無惨を弱体させるための薬の研究。
珠世さんの過去が、こんなに悲しいことだったとは。
その珠世さんに、ずいぶん楽しそうだったじゃないかという無惨の口調が、メチャクチャ悪党。
おおっと!ここで岩柱・悲鳴嶼さん登場。
息もつかせぬ怒涛の猛攻。
ここまでは、全て打ち合わせ通りの展開。
一撃で、無惨の頭を落とす悲鳴嶼さん。
奇襲とはいえ、未残の首討ち取った!
と思ったのに、頭吹き飛ばしても死なない。
うーん。
鬼の始祖は、他のとはやっぱり違うね。
お館様は、そのことも見通していて、とにかく夜明けまで無惨を攻撃し続けることを指示していました。
それにしても、自分を囮にするこの作戦。
自分だけ打ち明けられた悲鳴嶼さんは、否とは言えないですよね。
柱最年長。
一番付き合いが長いからこそ、自分を囮にしてでもという強い執念を汲めたのでしょう。
駆けつけた他の柱たちに無惨の存在を教える悲鳴嶼さん。
炭治郎以外は初見だから、これが「鬼舞辻無惨」かと目を見開きます。
が、次の瞬間全員抜刀。
とびかかる柱たち。
柱全員でかかれば、さしもの無残も弱体するでしょうし、夜明けまで足止めもできるるはず。
だが、切り札を用意していたのは無惨も同じだった。
してやったりと言わんばかりの、口の端をつりあげる笑いが怖い。
よもやの無限城召喚。
いや、鬼殺隊を引き寄せているのか。
鳴女が見つけた鬼殺隊士が、次々と無限城へ落とされていく。
こっそり、買ってきた海老天(?)を食べようとしていた伊之助。
異常な空間に引き寄せられても、むしろ不敵な笑みを浮かべてイノシシ頭を被る姿が頼もしい。
真剣な表情と大きな声で、仲間を助けようとしているカナヲが新鮮。
空間を漂う日輪刀。
それをつかみ引き寄せたのは、善逸。
こんな状況なら確実に気絶しているはずなのに、目を開き何か覚悟を決めたような真剣な表情なのが気になる。
目障りな鬼殺隊を、ホームグラウンドで抹殺してやろうと勝ち誇って雄たけびする無惨。
彼をまっすぐ見据えて叫ぶ炭治郎。
ぞくぞくするような盛り上がりでの幕切れは、最高のエンディングでした。
エンディングといえば、大正こそこそ話に思わぬゲスト。
蜜璃ちゃんが煉獄さんの継子だったという話から、煉獄さんの声。
その声に呼応するように、いくつもの鳥居の先へ向かおうという蜜璃ちゃんと炭治郎の姿が、この先の物語へ誘い、高揚感でドキドキしました。
無限城編は映画3部作だ!
本当に3本で完結できるんだろうか。
公開ペースはどのくらいなんだろう。
気になる気になる。