「ラストマン-全盲の捜査官ー」最終回の感想です。

 

初期のころは、目が不自由なことを感じさせないアクティブな皆実さんの洞察力と、違法捜査すれすれの強引でパワフルな護道心太朗のバディが心地よいアクションドラマでした。

 

が、第7話で心太朗が皆実の真の目的と、自分たちが被害者と加害者の息子だという事実を知ったところから、見え隠れしていた41年前の事件の真相を探ることに。

 

心太朗が、皆実と一緒に捜査することに「うん」というまでに、事件が1つ必要とは、本当に生真面目な頑固ですよね。

 

ラス前の第9話も怒涛の展開でした。

 

41年前の事件にのことを知っているであろうと、皆実の父親と一緒に地上げをしていた元ヤクザに接触したところ、その翌日には水死体で発見。

 

殺された男が直前に電話していたことから、皆実と心太朗は、黒幕は心太朗の兄嫁・汐里の父親で、政治家の弓塚であると推理します。

 

本人と直接対決して啖呵を切った直後、2人の捜査を手伝ってくれていた泉から、不審人物に尾行されていると連絡が。

 

心太朗が忠告するものの、その不審者を取り押さえようとしてもみ合いとなった泉は、不審者の持つナイフが腹部に刺り倒れてしまいます。

 

泉を刺した犯人を立体駐車場で追い詰めた心太朗ですが、その人物は敬愛する先輩刑事・ヤマケンさんだった。

先輩は、「俺は悪い人間だ」と言い残して投身自殺。

絶叫する心太朗。

「心停止しています。どなたかAEDを!」と声をあげながら、泉の心臓マッサージをする皆美。

 

さすがにこれだけ緊迫した展開でしたので、恒例のボケツッコミ無しで終わりました。

 

 

これで、泉が死んじゃったら後味悪すぎる。

何とか心臓が動き出し、手術で一命をとりとめたという場面から最終話がスタートしました。

 

ああ、よかった。安心した。

 

心太朗と皆実は、鎌田と皆実の母親・勢津子が交際していたことを知ります。

いつか自分たちの店を持つことが夢だった2人ですが、皆実パパが勢津子を見初め、鎌田は身を引くことに。

 

なんか、皆実さんの父親って地上げ屋で儲けたり、本妻いるくせに勢津子さんを愛人にしたり、ろくでもなさすぎる。

 

泉の意識が戻ったことで皆実は、41年前警視庁の理事官で、事件を監督立場にあった護道清二が、弓塚に頼まれてもみ消したのではないかと尋ねます。

 

このとき、いつも表情や感情を表に出さない護道京吾が、皆実に食って掛かったのには新鮮な喜びを感じました。

あ、良かった。

この人は、まっとうな人物だ。

反対に、「今お話しすることは何もない」といった、清二の方が怪しさ満点。

 

その後、清二が渡した証拠で弓塚に捜査の手が。

 

ここで、黒幕は清二説が濃厚に。

 

皆実にそのことを告げられた京吾が、本気で怒った。

いままでずーっと、感情を抑えた演技していたから、本当に新鮮だわ。

京吾が清二に「もうすべて終わりにしてください」というシーンは、静かだけれど迫力に満ちていた。

 

それにしても清二さん、「もう終わりにしてくれ」といわれて、瀕死の病人にとどめ刺しに行くとは。

 

何かカギを握る人物なんだろうなと思ったが、まさかのラスボス。

 

この回は伏線だらけでした。

というか、これまでの話の中で、伏線やらトリックがいっぱい仕込まれていた。

 

よもや、心太朗がが清二にプレゼントしたスマートウオッチが、彼がが犯人である証拠になるとは。

この証拠のおかげで、父親を疑いきれなかった京吾を動かすことに。

 

我妻に取り寄せてもらった皆実誠と鎌田國士の戸籍から、自分と心太朗は異父兄弟だと知った皆実さん。

心太朗には内緒にして、捜査1課全員の協力を得て、それぞれの父親と母親の関係を調べ上げ、41年前の真相にたどり着きます。

 

その結果は、実は2人は父親も同じ兄弟だった。

皆実さんと心太朗って年子の兄弟だったのね。

 

それにしても、それぞれのベビー時代の子役ちゃんも、福山さんや大泉さんによく似ていて、よく探したもんだと感心します。

特に1歳の頃の皆実子役ちゃんが、母親役の相武紗季さんと同じタイミングで泣いた時には、スタッフの努力のたまものと、しみじみ思いました。

このベストショットを撮るのに、どのくらい時間かけたんだろう。

子役ちゃんも大変でしたよね。

 

誠がよく使ていた料亭で、予約表を確認するのが目的なのに、芸者さんと仲良く遊ぶ皆実さん。

心太朗が皆実をやめさせようと声をかけるシーンは、100%アドリブですよね。

よもや、ここで嗅いだお香の香りが、事件の真相への糸口だったとは。

 

事件の真相は、自分大好き男が、嫉妬に駆られて行った凶行をもみ消そうとして、自分も殺される羽目になったというもの。

事件がややこしくなったのは、その自分大好き男を殺したのが警察上層部の人間だったから。

 

広見は自分の息子ではないと疑った皆実誠が、鎌田を呼び出した上に勢津子に真実を明かすように強要。

勢津子は、広見も鎌田の子であることを認め、さらに、今でも彼を愛していると言ってしまった。

 

誠は怒りに任せて勢津子をナイフで殺害。

 

物音に気が付いて部屋から出てきた広見も殺そうとしたため、鎌田ともみあいになり階段から転落。

1人意識を取り戻した誠は、事件のもみ消しを頼むため、行きつけの料亭に待たせていた清二を呼び出します。

 

事件の隠蔽を手伝わせようと脅しているときに意識を取り戻しかけた広見。

彼を襲おうとする誠に向かって、清二は灰皿を振り下ろしたのでした

 

「嫉妬から妻を刺し殺してしまった」、なら100歩譲って同情しないこともないが、初めから妻殺害の罪を鎌田にかぶせようと、事件の隠蔽要員として清二を用意しておくとか、金と力があれば何でもできると勘違いしている成り上がりのチンピラ的発想が、クズ過ぎて同情のかけらも持てない。

 

むしろ、こんなクズのもとでその後の人生を送ることなくなって、皆実さんはラッキーだった。

 

清二さんも、汚職政治家とつるみ過ぎて、自分に甘くなってたね。

結局無実の鎌田に、息子を盾に罪をかぶせたんだから。

 

彼が行った善行は、父親に殺されそうになっていた子供を救い、自分のせいで父親が犯罪者になってしまった子供を、我が子として41年間愛情を持って育ててきたこと。

 

彼が心太朗に愛情を注いでいたことは、心太朗が東大法学部を卒業して警官になったことが裏付けている。

養ってもらっている恩義や負い目だけで、護道家にふさわしい人間になろうと努力なんかしない。

 

彼が心太朗に注いでくれている愛情を受け止め、父親を尊敬していたから。

 

こんな自分を見て腹の底では笑っていたのかと詰ったのは、清二への信頼の裏返し。

 

心太朗が清二に手錠をかけた時点で、まだかなり時間があるなと思っていたら、ここで、津田健二さんの熱演が。

 

「心太朗、腹減ってないか」

 

この台詞で、私も大泉さんと一緒に涙腺が緩みました。

 

大泉さんの「お父さん、ごめんなさい」のシーンで号泣。

 

子供に戻ってわんわん泣く大泉さんの隣で、福山さんがお兄ちゃんらしく、2人とも幸せでしたというシーンも切なかった。

 

 

護道清二、鎌田國士、そして、護道京吾、3人三様の父親としての息子への愛情表現が良かったです。

 

そして、このドラマの女性陣の強いこと。

 

今田美桜さん演じる我妻も芯が強い女性でしたが、ちょっとツンデレなところが現代風?

 

佐久良主任に、はっぱかけられて、空港まで皆実さんを見送りにやってきた心太朗。

自分からハグしに行くところが微笑ましい。

 

しみじみ別れを告げた後、「それでは、また来週」って何?

 

え、今度は心太朗がFBIに研修に行くの?びっくり

 

内部調査していたエージェントって、ホテルのバトラーの南波さん?

 

最後の最後まで、皆実さんに振り回さた心太朗がパニックのままエンドって・・・爆  笑

 

思わず、FBI編を期待しちゃうよ。ニヤリ

 

オーラス。福山さんの物まねで終わるあたり…真のラストマンは大泉洋でしたね。