2月某日。
社会復帰して2週間が経過しました。
半日勤務というのは、私の職種的には全く仕事にならないのですが、思っていた以上に"仕事ができない人"になっているし、何もしてないのにそれなりに疲れるので、産業医の提案は妥当だったのかなぁ~、という今日この頃です
さて、そうこうしているうちに、保険金の振り込みが終わりましたので、お金の話が完結しました。
よって、お金の話を記録しておこうと思います。
数あるがんの中でも白血病は特に治療費が高いと言われています。
このブログの読者の方はご存じかと思いますが、白血病といっても沢山の種類があって治療法も様々で、一概には言えません。
しかし、多くの場合は沢山の輸血が必要だったり、あるいは沢山の薬を使ったり、更に入院期間が長期に渡る、というケースが多いため、結果として治療費が高くなるのだと理解しています。
では、実際の負担はどうだったのか。
急性前骨髄球性白血病(APL)の1つのケースです。
私の反省も含めて記録しておこうと思います。
まずは治療費の話。
急性前骨髄球性白血病(APL)の治療には一体どれくらいのお金がかかるの、という話です。
前提条件としては、私は(あくまで私の主観ですが)「完璧な勝ち組」ではない、ということです。
APLの治療は
1.寛解導入療法
2.地固め(強化)療法
3.維持療法
という順に進みますが、私の感覚では1の寛解導入療法が約1ヶ月以内で終了し、髪の毛が抜けず、無菌室に入る必要がなかった方が「勝ち組」です。
輸血すら経験してない偉大な先輩もいらっしゃいますが、恐らくそれは例外です
私のブログで度々触れてきましたが、APLには「ベサノイド」という特効薬がありますので、これだけで寛解に成功すると髪の毛が抜けません。
私の場合は、寛解導入療法でこのベサノイドだけでは追い付かず、いわゆる抗がん剤を使いました。これを使うと血球が減少しますので、無菌室に入る必要があります。
無菌室を出るためには減った血球が回復する必要がありますが、私はそこで少し時間がかかりました。2~3週間で出るつもりが丸1ヶ月かかりましたので、自分では「勝ち組」ではないと思っています
そもそもいわゆる抗がん剤を使わなければその薬代も不要ですし、無菌室に長くいるという事は血球が回復が遅かったという事で、その分、輸血も増えます。
そういう意味で、私は「完璧な勝ち組」ではないと、勝手に自分で思っています
それでは私の治療費です。()は個室代・食費等も含めた金額=実際に私が病院に払った金額です。
4月:約13.5万円(約22万円)※限度額適用認定証なし
5月:約87万円(約101万円)※限度額適用認定証なし
6月:約18万円(約50万円)
7月:約18万円(約50万円)
8月:約17万円(約19万円)
9月:約9万円(約10.5万円)
10月:約9万円(約11万円)
11月:約9万円(約11万円)
12月:約9万円(約12万円)
合計=約191万円(約294万円)
厳密に言うと最初の4~5月は限度額適用認定証がなかったので、もし最初からあったら金額が下がるのですが、逆にどれくらいお金がかかるか、というイメージは掴んでもらえるかと。
4月25日に入院をしていますので、4月はたった1週間です。
そして、5月は寛解導入療法のど真ん中。この1週間+1ヶ月の治療費で約100万円です
薬のお金だけでなく、この時期は頻繁に検査もしますし、血小板の輸血が高額になります。いわゆる抗がん剤(私の場合具体的にはキロサイドとイダマイシン)を使うと血球が下がるので、輸血が必須なのです。
治療費に関しては多くの方がご存じの通り、本人負担は3割です。
100万円の治療費を払ったとしたら333万円くらい治療費がかかったという事です。車が買える金額ですね
ただ、実際の負担はそこまでではありません。
日本はいい国で3割負担に加えて、高額医療費の支給申請をすると払い戻しをされます。自己負担の限度額が決まっているからです。
治療費が高額になることが分かっている場合、最初に限度額適用認定証をもらえば、払い戻しではなく最初から自己負担の限度額で済みます。
私の場合、6月分から限度額適用認定証を使いましたので4月と5月が自己負担の限度額を超えて支払っているため、高めになっています。
そして。
入院中にもブログに書いたことがありますが(コチラ)、ここから健康保険組合のサポートがあります。
私の入っている健康保険組合では、自己負担額は25,000円です。高額医療費の支給を受けても、25,000円を超える場合はその差額が補填されるという事です。例えば9月以降は約9万円の治療費だったわけですが、約9万円-2.5万円の差額=約6.5万円は健康保険組合がフォローしてくれます。
よって毎月の医療費負担は25,000円だけ。
我が家の家計が破綻しなかったのはこれのお陰です。
3ヶ月くらいのタイムラグはありますが、後から差額が支給されます。
実際には、5月に約87万円を支払っている訳ですが、8月に自己負担の限度額を超えた分と合わせて約84万円が振り込まれました。
この記事を書いている時点で10月分まで還付されています。
そういう意味では、治療費として払う金額の総額は22.5万円になります。
健康保険組合がどれくらいサポートしてくれるか、という点については組合によって差があります。
が、こんなこと日頃から把握されている人はほとんどいないと思います。
ちなみに、私が入院していた病院の看護師さんも「私はどうなんだろう?」と言っていたのは印象的でした
しかし。
治療費は22.5万円だったのですが、個室代や食事代等の合計は約100万円くらい払っています。
これがなかなかの出費です。
6~7月と5月を比較すると、5月は治療費と実際に支払った額との差が少なくなっています。これは、私が入院していた病院では無菌室は部屋代がかからなかったからです。
8月以降も差が少なくなっているのは、大部屋に入ったため部屋代がかからないから。
逆に言うと7月の一時退院までは個室料金が結構かかっている、という事です。
入院環境については、病院によって大きく異なりますし、個人差も大きいと思います。大部屋でも平気な人は平気でしょう。
私の入院していた病院では「4人の大部屋(無料) or 個室(14,000円)」という選択でした。個室の料金は病院によって違うと思います。
私の場合は・・・「自分は生きられるんだ」という確証が持てない状態では、大部屋のストレスは耐えられませんでした
そして、自分が入っていた保険を調べて最初の入院時だけ個室に入ることにしたのです。
この保険については別記事で書こうと思います。
トリセノックスとベサノイドの併用による地固め療法は他のタイプの白血病の方々と比較して、副作用が軽くて済みます。骨髄移植をされる方々と比べればなおさらです。なので、2回目の入院からは大部屋でも耐えられました。外泊もできましたしね
ということで、治療費が高くつく白血病ですが、APLの場合はこれくらいで済むケースがありますよ、というご紹介でした。
ただし、多くの場合は地固め療法が「トリセノックス→ダウノマイシン→トリセノックス→マイロターグ」だと思いますので、治療期間も少し変わってくると思います。
また、維持療法が必要な方がほとんどでしょうから、その治療費がかかる方が多いと思います。ベサノイドを選択するかアムノレイクを選択するかで変わってきますし。恐らく、アムノレイクの方が高いんじゃないでしょうか。
次の記事では保険のことを書こうと思います。
世の中からマスクが消えて、インフルエンザも新型コロナも猛威を振るっていますが、今日も皆様が健やかでありますように!