心響く道Page3
「どれ? あ、これは初めて一人暮らしする時に実家から持ってきた食器だから」「じゃぁ、もう二十年くらい使ってるの? これだけオシャレな食器たくさん持ってるのに」「毎日使う食器は、お父さんがパンについてるシール集めて もらったお皿だったりするんだよね。 私が子供の頃「欲しい」ってねだったから」「へぇ、そんなことあったんだ」「なんだか安心するのかな。昔から使っているものって。 だから、実家から持ってきて未だに使っているものも結構あるよ。 これとか」 幾何学模様が並んだ汁碗を取った。「すごく可愛いじゃない。こんなの家にあった?」「二階の押し入れに箱に入ったままのがかなりあって、 いくつか貰ってきたの。 実家にある食器ってものすごくセンスが良いんだよね。 このチャイグラスのセットもだよ」「チャイグラス?誰が買ったの?」「頂き物かもって。 でも、旅行に行ってはいろんなもの買って来てたみたいだから、 お父さんかもね。お父さんってコレクターだったし、 人形とかもたくさんあったでしょ」「確かに、こけしとか全国各地の集めてたよね。 男の子いないのに兜とか五月人形とか」「そうそう倉庫に行くとお宝ばかりなの。 この金色のゆで卵置きも実家にあったんだよ。 お母さんに聞いても「いつからあるか知らない」って言うし、 不思議なものいっぱいで面白いよ。 私の普段使いするものについては、実家が一番の仕入れ先かも」「でも、お父さんもお母さんも食器にはあんまり興味あるようには 思わなかったけど」「『食器』に興味があるわけじゃなくて、『美しいもの』に 興味があったんだと思う。 お父さんの色彩感覚は絶対に真似出来ないし、 お母さんもこだわり派だしね」 父が亡くなった後、リハビリ施設から送られてきた塗り絵ノートを 見て、響は驚きと感動を覚えた。 どの絵もたくさんの色を使いながらもまとまりよくカラフルに 明るく仕上げられ、きっちりと細部まで丁寧に塗られていた。 不自由な目と手で塗るのは相当な時間と気力が必要だっただろう。 介護士さんの話によれば、ものすごく集中していたそうだ。「あの色使いを見て天才だと思ったもん。 洋服もお洒落さんだったけど……。 あの能力受け継ぎたかったなぁ。 もっと話せば良かったと後悔してる」「いなくなってからわかったことって多いよね」「うん………」トルコ・チャイグラス 2客セット/カットガラス・ゴールドライン/トルコお土産¥3,500楽天大人の塗り絵 ひみつの花園 ひみつの花園 塗り絵 夏休み 大人の塗り絵 秘密の花園 色鉛筆 シ...¥1,198楽天