智慧のWord - 本&テレビ&日常の話より得た智慧を紹介。- -18ページ目

智慧のWord - 本&テレビ&日常の話より得た智慧を紹介。-

読書、テレビ、ときに日常の話により、気になったトピックについて気ままに綴ります。

 昨日読み終わったばかりの本より。
「ハケンアニメ」という、辻村深月さんの長編小説で、もとは「anan」で連載していたとのこと。

いやー本当に、素晴らしかった!!!!!久々の星5つをつけました!

辻村深月さんの本は久々。
「子どもたちは夜と遊ぶ」が救いようのない程暗かったので、ダークな印象があった。
しかし、今回は今まで読んだ辻村作品とは作風ががらっと変わっている。ライトノベルに近く、暗さは一切無い。
調べたところ、相当ゲームが好きらしく、その趣味の部分も今回はふんだんに盛り込まれている。
これは良い作品!!今年読んだ私のオススメ本ランクインに決定した。

ハケン=覇権=覇者の権利。
同じクールで一番ヒットしたアニメがもらえる称号。

アニメ業界で働く3人の女性達が主人公で、3章からなる。
番組プロデューサーの香屋子(35歳)、監督の瞳(26歳)、アニメーターの和奈(26歳)、それぞれ違う立場の3人の視点で物語は進む。

アニメという業界がいかに過酷で体力勝負な世界か、ということがわかる。しかし、アニメは私は普段あまり見ないんだけど、(特に魔法少女系、萌え系少女とかはさっぱり疎い)、彼女たちの仕事に対する熱意、1つの仕事をやり遂げた後の達成感を強烈に感じることが出来る1冊だった。
アニメ業界に限らず、何か「物語」を作る仕事って面白そうだな、と思う。(勿論、面白いの一言で片付くものじゃなく、血のにじむ作業、交渉があってこそ、なんだろうけども)
それに、1つの仕事にかける時間がとても長く、作品のキャラクター達の成長を自分も近くで見守り続ける為、愛着の強さや思い入れも相当なはず。
瞳が、2章の最後で泣くシーンが好き。自分の関わった仕事によって感動して泣く、なんてことは、あまり他の業界では無いことだ。

最後は、3人の主人公と、脇を固める個性豊かなキャラクター達が結集して、1つの大きな仕事に立ち向かう。
和奈の不器用な恋愛模様も見所。

働くことの意味、努力することの大切さを学べる、ビジネス本としても紹介できるような一冊だ。

そして、この小説の中で一番私の気に入った言葉はこちら。天才監督、王子千晴の一言。

「リアルが充実してなくたって、多くの人は、そう不幸じゃないはずでしょ?恋人がいなくても、現実がつらくても、心の中に大事に思っているものがあれば、それがアニメでも、アイドルでも、溺れそうなときにしがみつけるものを持つ人は幸せなはずだ。覇権をとることだけが、成功じゃない」

何だか、心が少し楽になる言葉だよね。
幸せ、不幸せなんて尺度は人それぞれだし、何か自分が情熱を注げるものを持っている人って、それが実際に生きる力にもつながると思う。