伯母の家を整理していたら、

母や伯母の兄である、伯父の「スタンプ帖」を見つけた。

 

初男さんというこの方は、

大正9年生まれ、そして、昭和13年12月30日、19歳で結核に侵され亡くなった。

お父さんは、若い初男さんが「疲れた、だるい」と言うと、

「若いのに怠け病だ」といって、取り合わなかったのだと。

そして手遅れになり、お父さんは「初男が亡くなったのは自分のせいだ」と、一生悔やんでいたという。

その後、伯母も結核になるのだが、今度はでき得るかぎり手を尽くし、

伯母は大手術をして余命10年未満と言われたが

それから70年以上生きている。

 

初男さんの16歳の頃から始まるスタンプ帖。

通っていた学校周辺の駅、乗り換えだったであろう渋谷駅、

工場見学、銅山、学校の修学旅行鬼怒川温泉、日光、富士登山の記念スタンプなど。

初男さんは田町の東京高等工芸大学付属工科学校に通っていたようだ。

ここは今は東京工大付属高校のあるところらしい。

 

親戚から聞いた話では、とても頭のよい人で、

Jazzが大好きだったと。

その頃はアメリカの音楽は聴いてはいけなかったから、

押入れの中で聴いていたのだそうだ。

どんな曲を聴いていたのかな、、

話をしてみたかったな。

 

もし結核にならなくても、

その3年後に戦争が始まっているから、

22歳だったら、まず赤紙が来たであろう。

この頃の若者の運命を思うと、涙が止まらない、、、