先日、アマチュアのアンサンブルを指導していたとき、

コンサートマスターから興味深い質問がありました。
「最近になって基礎練習の大切さが分かったんだけど、時間が限られている。
オーケストラの曲の演奏に手いっぱいで、基礎練習がおろそかになっている。
最低限の基礎練習法を教えてくれないか？」と言われました。

でも考えてみれば、多くのアマチュアが「基礎練習なし」で試合に臨み、

その中で「応用練習」に焦点を当てているような感じがしました。

まるで、スポーツ選手が試合に出続けながら基本のトレーニングを怠るような状況です。

アンサンブルの応用練習は大切だし、その感覚もある程度身についているでしょう。

でも、個々の奏者が持つテクニックや基礎について考えると、疑問が残ります。

何よりも、試合に慣れた演奏者がいる中で

ほとんどの人が「基礎の大切さは理解している」にも関わらず、

それをなおざりにしてしまうことがあります。

これには忙しさという理由もあるかもしれませんが、

もしかしたら、「基礎って具体的に何を指すのか？どうすればいいのか分からない」

という不明確さも影響しているのかもしれませんね。

基礎練習の重要性について考えてみましょう。

基礎練習は、関節可動域の拡大や柔軟性向上、瞬発力の向上など、

演奏に必要なスキルを向上させるための大切な一環です。

これは奏法別の単なる練習ではなく、もっと根本的で基本的なものです。

目指すのは、何かを演奏できるようになるための技術だけでなく、

演奏が可能な身体を築くことです。

つまり、「練習のための練習」なのです。

この基礎練習は、スポーツの基礎体力トレーニングや、

例えば「ランニング」や剣道の「素振り」などとも共通しています。

重要なのは回数よりも、練習の質です。ただ単に動作を繰り返すのではなく、

意識的で効果的なトレーニングが必要です。

「よりハイレベルで、より質の高い演奏をするためには、

完成度の高い身体を作り上げ、それを自在に操る能力が必要です。」

基礎練習によって身につけた柔軟性や力の制御は、

高度なテクニックや表現を可能にし、音楽的な深みを追求する上で欠かせません。

毎日基礎練習を