荷物をまとめて病院へ向かうと、もう午後の診療時間も終わっていた。


案内されて大腸外科の入院病棟らしき建物に向かうと、看護士さんが出迎えてくれた。

奥さまですね、と言われて荷物を渡すと

「コロナの関係で面会はできないんです。状況は医師から伝えてあると思いますので、また今後の状況がわかり次第ご連絡します」

と言われてしまい、すぐに帰ることになってしまった。

今夫がどのような状況なのか、お腹は痛くないのか、苦しくないのか、寝てるのか起きてるのかもわからないまま自宅に帰ってきた。


不安な気持ちでいっぱいだったけど、母が来てくれていたこと、子どもたちのお世話もあったおかげで気は紛れていたのかもしれない。


既読のつかない夫へのラインには時折メッセージを送っていた。

「このメッセージを見たらお返事ちょうだい」

夜中になっても既読はつかず、そのまま翌日の朝を迎えた。