「このトーナメントではね、
優勝チーム以外のすべての球児にただ1度ずつの敗戦が配られるわけです。
これは甲子園に出場したチームだけにいえることではない。
地方大会の1回戦で敗れた選手にもただ1度の敗戦が、
野球の神様から配られているわけです。」
「壮大なトーナメントの、大きな意義がそこにあると思うんです。
つまずくことで得るものが、若者たちにはきっとある。」
2002年夏の甲子園 決勝戦(智辯学園和歌山vs明徳義塾)にて、
"長嶋茂雄さん"が口にした言葉です

(5日の『朝日新聞』朝刊/記者有論:西村欣也さん)より。
今年の夏の大会は4028校が参加しました。
地方大会含め、4028校のうち4027校のチームの選手が
平等に、ただ1度ずつの敗戦を経験する。
この大会は1チーム以外が
"ただ1度の挫折"を味わうために開催される。
"たった1校だけに1本の優勝旗が与えられる"
に対するこの逆説は、とても説得力があります。
"挫折は糧になる"
長嶋さんはプロデビュー戦は4打席4三振は有名ですが、
小学校でも中学校でも高校でも、
野球部に入った第1打席はすべて三振だったそうです。
高校野球も地方大会の1回戦で敗退。
ただこの試合で、公式戦では初めてとなるホームランを放ち、
これが立教大学進学に繋がり、スーパースターへの1歩となる敗戦になったそうです。
自分自身が挫折から学んだからこそ言える言葉ですね。
天才・天然・感性なお方というimageがあったので、
意外な感じもしながら、
敗戦にスポットを当てる長嶋さんの考え方に感銘を受けました

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2006年の甲子園。
私も当時高校3年生だったので、とても印象に残っています。
高校球児の姿はとてもかっこよくて、
私の永遠のHEROですが、
その中でも、好きだった選手がいます

2004年の甲子園を沸かせた、済美の"鵜久森淳志選手"です

(現在:北海道日本ハムファイターズ)
春優勝、夏準優勝。高校通算47本塁打。
甲子園では、春(第76回選抜大会)に2本、
夏(第86回選手権大会)には3本
計5本のホームランを打っています。
187cmの大型スラッガーで、
打球の速さ、綺麗なフォームも特筆ものです。
2010年夏 決勝、9回。
済美を応援してる人はみんな
"鵜久森まで繋げばなんとかなる"と思いながら見てたんじゃないかな。
"とにかく鵜久森まで"という想いがあったと思う。
私もその1人でした。
だから2アウトで鵜久森まで回ってきたとき、すごく嬉しくてホッとした。
おそらく、あの時回ってこなかったら、
"あの時に鵜久森まで回ってたら…"と
今でも考えていたんじゃないかな。
鵜久森が勝負に出て、それでも勝てなかったのだから、
なんていうか、諦めがついた。
これで全力だったのかなと納得できた。
それを思ったら、
やっぱり、"鵜久森淳志"ってすごい選手だなって。
彼にも、野球の神様がプレゼントしてくれたんですね

やれば出来るは魔法の合言葉♪