日本人ではない来客には,基本的に日本食は出さない。


たまにアメリカ人が,「こないだ日本食レストランに行って日本料理がおいしかった」とか言ってくるんだけど...まあプロにそれなりの金額を払えばおいしいものは食べられるだろうし,雰囲気でおいしく感じたとも言える。食べたことのない食材や料理がホントにおいしかったのかも怪しい。


食事会に招く度に何か特別なものを期待されているようで...あんまり洋風・中東系ばかりの食事というのもと思い,年末に自分用に作った五目豆を出してみた。


ちなみに,シイタケは昨秋に実家から大量にもらってきた,私にとっては非常に貴重な食材を使った(が,シイタケを食べたことのある人は皆無)。


枯れ木も山の賑わいということで,テーブルに並べてみて...


「大豆?大豆はGMO(遺伝子組み換え)だから食べないわ」とか「そもそも豆類は食べない」,「コンロ料理は不健康。オーブン料理がベスト」,「大豆は高齢者に良くないって知ってる?」とか...遠慮なく言いたい放題である。招待して料理を作ってくれる人に,実に正直に言う。


全員ひと口試してみていたが,味わった後にはだーれもなーーんにも言わなかった(笑)。もちろん,残りを持って帰りたい人もおらず。


(自分用に)煮豆も作っていたが,これは出さなかった。以前肉じゃがの作り方を教えたアメリカ人が,「お菓子じゃないのに砂糖を入れるなんて!」と驚いていたし,恐らく甘い豆はムリ。


こんにゃくとかわざわざ日本食料品店で高いものを買ったところで,単に気持ち悪いだけでムダになる。とはいうものの,出汁昆布などの日本の食材は健康志向の人達に受け入れられ,アメリカの食料品店(Meijer)にも売ってあるらしい。


アメリカ人に人気で失敗のない食材は,トマト・ジャガイモ・牛肉・チーズ。そして,砂糖と生クリームたっぷりのお菓子。揚げ物は確実に喜ばれる。


健康に良いものをとこちらが食事会で気を遣って出したら,「持病はあるけれど食べる楽しみが奪われるのはイヤ」,「野菜は食べない」と言われたこともある。


ドレッシングもレモンやオリーブオイルでどうぞと言ってみるが,本当は塩分やカロリーの高いドレッシングをドバッとかけたいのだろうし。


持病があると知っていながら,それを考慮しない食事を出すのは配慮がなさ過ぎる...と思うけれど,まずい料理しか作れないと評価され,おいしくなかったと不満が残るだけである。


本人が普段の食生活を改善しない限り,一回の食事ではどうすることもできないので,あまり気にしない方がいいような...。


国際結婚においては,「言語も食べ物も違うから大変」と考えるかもしれない。食べ物について言うと,食べたことのない食材や調味料はあって当たり前で,そんなことよりブロッコリーやニンジンなど「共通の野菜」を食べないとか偏食の伴侶の方が100倍苦労すると思う。若い頃はいいが,いろんな病気の要因になり得る。