5〜6月にかけてのドイツ旅行。マンハイムに住んでいる親戚が,「明日はブガに連れて行くから」と。

 

BUGA(連邦園芸博覧会/The German National Garden Show – Mannheim – April 14 thru October 8, 2023)というのは,1951年以来,ドイツ国内で2年に一度開かれている植物の大イベントらしい。今年のガーデンショーの会場はマンハイム(1975年以来)で,しかも親戚宅から車ですぐの所だった。

 
入口周辺。閑散としているが,とにかく広いから。ネギ坊主がお出迎え。

木彫りでチョウの一生を表現した一画。
ハス池。ツヤッツヤ!
今年初めての夏日だそうで,アイスクリームがすごい速さで溶けた。

 

植物,といっても草花からビルのようにそびえ立つ大木まで。ミシガンのケンジントンパークも広いが,ここは人間の手が入れられた園芸パークだ。公園全体が,見せるために美しく整えられている。リンダーホーフ城に続く小路脇のワイルドフラワーの草原もそうだったけれど,人工的な感じを与えずに自然の中にいるかのように。

 

裸足で歩くための小道や小川もあり,靴を脱いで歩いた。異なる小石が敷き詰められた歩道を,痛いとか言いながら。木登りをしたり裸足でこんなに歩いたりしたのはどれくらい前だったろう。小川で遊ぶ女の子達は,何も身につけていない。おやつにはプレッツェル。ドイツだなぁとしみじみ...。

 

これはツツジっぽいが,大きな木だ。おもしろいのは花びら一枚のみに斑点がついているところ。

こちらは白。
ハーブ園は,効能別に植えてある。
アヤメのような花もいっぱい。
コウノトリの巣もあちこちにあり,鳴き声が聞こえる。ひな鳥もいた。
黒い鳥が一羽,乗船(笑)。
不思議な根っこの向こうには,水際でカモが卵を温めていた(わかりますか?)。カモだけにカモフラージュ。
低木でツツジに似ている花。親近感が湧き,つい写真を撮ってしまう。
こちらは古代ケルト人の樹木占いの説明。一年を22種類の樹木に当てはめた暦らしい。
何と22種類すべての木が,公園内にこの順番通りに配置されている。皆の誕生日の木を探しながら歩いた。私の木,エルム(ニレの木)の前では記念撮影。

こんな巨大な公園が市街地の中にある。しかも,BUGAのためにもう一つの公園まで移動するケーブルカーが設置されており,約20分程,街や川を眼下に空を旅して移動する。
ミシガンだとカナディアンギースだが,ドイツの芝生にいるのはエジプトギース。フンなど気にせずここも素足で歩く。ノイシュヴァンシュタイン城から徒歩で下る時も,馬車の馬のフンをよけていたが,友人は「フンを踏むのは幸運なのよ!」と。どこまでも自然主義。
 
ケーブルカーの上から。
川を二本渡って...野球場やフットボールのグランドも眼下に。「あそこに見えるサーカステントは,子どもがやるんだけど,お客さんも子どもだけなんだよ」と親戚が教えてくれた。
こちらの公園は入口付近のみを散策。とにかく広くて,猛暑日で...道にも迷ったりしてかなり歩いた。
 
中国館?は大賑わい。ここへ向かう乗り物には仏陀の頭部の飾りがついていた。
このセクションは姉妹都市の植物。「鎮江」という文字が見える。
リクライニングチェアがあちこちに置いてあり,タワーのように大きな柳の枝が垂れたカーテンの中でリラックスして寝転ぶ人も。何と贅沢な天蓋付きのベッドだろう。

木製の遊び道具もたくさんあり,童心にかえった。子ども達も遊びながら自然の科学を学び,植物に触れられるようにできている。 

 

案内や説明に英語表示はなく,英語教師をしているドイツ人の親戚に英語で説明してもらった。いろんなジャンルにおいて知識が豊富で,植物についても詳しい。第二言語同士での会話であり,根気強く説明してくれた。  

 

現在放送中の朝ドラ「らんまん」も植物学者のお話だ。マンハイムは,フランクフルト空港から車で約70Km。ミシガンからは直行便で約8時間半のフライトになる。会場までは,制限速度なしのアウトバーンで40分ほどで到着すると思われる。2年後は北部での開催のようで,国外から行くのはやや不便かも。

 

マンハイム在住の親戚達は年間パスを買おうかと話していた。お金を使う大混雑の万博ではなく,自然の中でゆったり過ごすBUGA。最新のテクノロジーやアトラクションに楽しませてもらうという受け身の姿勢ではなく,自分から自然に踏み込んで気づき楽しみを見つける博覧会。高価な食べ物やお土産で得る満足感ではない。心の深いところに残る博覧会だった。


BUGAは10月8日に幕を下ろす。