日本ではどうなのかわからないが,この辺では本当にタトゥーを入れている人が多い。

 

以前,アメリカの大学でアートの勉強をしている女性に会った。4か国語が話せるそうで成績も優秀らしく,将来何になりたいのか聞いてみると,タトゥーのデザイナーだと...そうなんですねとだけ答えた。 

 

タトゥー…MRI検査には危険が伴うという。アートメイク(眉・アイライン・唇)も医療行為らしいが違法営業も多いらしく,これも脳のCTスキャンを取る時にはリスクがあるそうだ。


「(施術してくれるのは)知ってる人(なので安心)」,「入れ墨じゃなくてタトゥーよ」,「アートメイクは美容で医療行為じゃない。おしゃれな個人宅で受けられて,手作りスイーツも出る」,「発がん性?人体への影響はごくわずかだって」,「うちはガン家系じゃないの」,「人体に影響のあるインクを使うはずがない。あれば誰かが通報している」,「最近はインクの質がよくなった」,「アメリカでは普通」,「何事にもリスクはつきもの。100%いいものはないわ」,「美容意識が高いは女子として当然」,「みんなやってるから大丈夫」,「やらないと会話の仲間に入れない」,「私のフォロワーさんだからお互い,ビジネスを紹介し合わなくちゃいけない」,「MRI?私は健康だし,そういう検査は受ける予定はないので」...まあ,いろいろ。アメリカならドラッグもか。安くても高くても,怪しさはつきまとう。わざわざやることかなぁ。

 

体質(皮膚や爪の状態)も違うし,遺伝などの要因もある。人が成功しているからといって,自分もうまくいくとは限らない。

 

ジェルネイルやマツエク,多岐にわたる整形手術,わざわざ着色料を入れてお菓子を作って食べたり…SNS上でのマルチ商法もだし(アメブロの規定を読むとマルチ商法関連の記事は禁止されている)…いずれも,身近になった。

 

手作りお菓子は,元は健康とか節約のためではなかったか?SNS用の写真を撮ったら,食べたふりして捨てていると思うが…。毒々しい色の食べ物を口にすることを取るか,食べ物で遊んで捨てるなど粗末にすることを選ぶか。どちらも選べないのなら,もらったり作ったりしなければいい。アメリカの誕生日ケーキは,絵の具のような色のクリームが当たり前。年に一度のお祝いの席なので,ここはがんばってちょっと食べる。

 

時間とお金があるからか,皆さん本当に我が身に施す勇気?がスゴイとしか言えない。楽しんで積極的にやっている。お金がないから仕方なくこれを食べている・これを身体につけている,というのならわかるけれど...時代が豊かになって,安全で健康志向になるのが当たり前かと思いきや,余計なことで自分の身体にリスクを伴う行為をする方へ向かう…しかも,判断力のあるはずの大人が。ネットを見れば整形手術を小さな我が子にもさせたいという人も。先のことは深く考えない?

 

紹介する側は儲けさえすればいいので,人を巻き込むことに躊躇はないのだ。「うちの子にも着色料入りの手作りお菓子を食べさせている(から安心よ)」とか,論点が違う。第一,ホントに食べているかも疑わしいし。大人は子どもの人権を冒してはいけない。

 

経済的に豊かになると,食費にもお金がかけられると聞く。しかし,それは便利でおいしい高級食品(加工食品・レストランでの外食・お酒)が買えるということじゃなく,質の良い健康的な素材を買えるようになることだ。「5,000円も出してラーメンの汁を飲み干しにレストランに行き,SNSに載せる」ことは,自分にとって価値のある素敵なことかどうか。

 

流行りや最新のものをいち早く試して紹介したい,という気持ちもあるだろう。確かに10年前のスマホと新発売のスマホでは,比較にならない。しかし,自分の身体は交換できないから。

 

周囲や欲求に振り回されずに,「健康的=満足感」という考え方を持つことが大事。お金を使うなら,そういうことではなく,人に贈り物をするとか寄付をする方が何倍もの満足が得られます。自分の健康も損ねないし,モノも増えないし,人に喜ばれる!白血病やアルツハイマー,小児がんなどいろいろな病気の研究機関にも寄付金を送っているが,病気の原因(リスク要因)が究明されたり新薬が開発されたりしたというニュースを聞けば,微々たる寄付金でも世の中の役に立ったのではと本当に嬉しくなる。 

  

それなのに…せっかく研究が進んで良い医療を受けられるというのに,タトゥー等で検査のリスクがある行為を自ら選ぶなんて…。虚しさを感じます。健康保険料でも上がって,個人的に痛い目に遭わないと自分ごとにならないのだろうな…。

 

汚染された井戸水と知りながら,最新の高額サプリメントを買って汚染水でせっせと飲むような矛盾。華やかで新しいモノに飛びつき,人からうらやましがられれば満足する。


遅かれ早かれ,揺り戻しは起きる。「あの時はどうかしてたんだ私。見た目や画像にしかこだわらなかった」,「あの頃に戻れたら自分に説教したい」,「ああいう時代だったから」という日が必ず来ると思う。     

 

高いお金を出し痛い思いをして,健康リスクのある行為をして得る喜び。喫煙や飲酒などの習慣とは違うし,美容の問題というだけでもなさそうだし…危険と隣り合わせだと知ってか知らずか,ストレスや虚栄心など心の問題のような気がする。

 

自分の人生,自分の選択。いずれも大事な人がやると言えば全力で止めたいが,心の問題でもあるので難しいだろう。