3月に終了した朝ドラ「舞いあがれ」でも短歌が出てきたが,日本では短歌ブームだという。
短歌や俳句と言えば,中学生の頃を思い出す。試験前だったか,「この句には『けり』がついているから二句切れで...」とか言いながらふと級友の国語のノートを見ると…そこには「肉切れ」と書かれていた。...肉!?
その時の強烈な驚きは今も覚えている。句の切れ目がどこかと話し合っている中,その人の頭の中には「肉」があるのだ。黒板には「二句」と書かれていたはずなのに。「ニク→肉」と自動的に変換され,鶏肉や豚肉を思い浮かべていたのだろうか。
全然わかっていないってどういうことかというと,基礎の基礎のずーーーーっと前からわかっていないということ。最初の思い込みからどんどんズレていき…正しいスタート地点にすら立っていないのである。小学校で教員をしている時は,この時の強烈な印象が頭の中にあった。
先日ネットで料理動画を見ていたら…ナント!「傘増しキノコ」という大きな文字が出てきた。傘!?確かにキノコには傘があるから,ジョークかと思っていたら続いて「傘増しタケノコ」。嵩(かさ)を増やすということだった…。いやいや,タケノコもとじた傘に似ているぞ!
大雨のニュースで「水嵩が増す」というのも「水傘が増す」と思っているのだろうな。小学1年生の算数に「みずのかさ」という液量の単元があったが,きっと頭の中には傘を思い浮かべていたはず。水と傘は関連があるので,思い込みやすい!
うむ,そうなると「復習」という意味の「おさらい」も,「お皿い」→「お皿洗い」と思い込んでいる子どもがいてもおかしくない。お皿を洗う,つまり全部終わって後片付けとしてもう一度やるという風に認識していたのでは…。
私も子どもの頃は,クレヨンの「ばら売り(散売り)」のばらの意味を知らなかった。単色販売だとはわかっていたが,「ここでは花のバラという言葉を使う」と勝手に納得してワクワクしていたなぁ。サクラクレパスの箱にはごていねいにバラの絵も描かれていたので,完全に信じ込んでいたと思う。
大人になった今も当然日々トンチンカンな思い込みをし,見当はずれの質問やコメントをたくさんしている。ものすごーく皆に呆れられ,旅でもないのに異国で恥をさらしており,その99%はとてもここに書けたものではない…。