西九州新幹線が,9月23日にいよいよ開業する。地元長崎に新幹線「かもめ」が来た! 

カッコいい!!ピカピカ!!
 
2019年の11月(パンデミック直前)に一時帰国した時は,家の近くでは工事のダンプカーがしょっちゅう山の方に向かって走り,乾いた土ぼこりを上げていた。各駅停車の汽車を待っていた諫早駅のホームには,甲高い金属音が鳴り響いていた。父親は「自分が生きているうちに新幹線ができるのか」とか遠い目をしていたが,試乗会にまで招待される日が来るとは。    

 

開業に先立ち,日本の家族は3人が9月15日の試乗会へ。父親と弟は招待客で,姉は応募したらくじ引きで当たったのだとか。画像は,2両目に乗った姉が送ってくれた。

 

前日から私の方が緊張して,「家を出る前に仏壇に参って。スマホの充電は十分か」とメッセージを送り,昼頃に乗る弟達が駅のホームにいる頃にライン電話をかけた(姉の乗る時刻はこちらの深夜3時)。


次々と流れる空港で聞くようなアナウンス放送は,近代っぽくて遠いどこかに行くのにふさわしい。男性の「え~間もなく3番ホームに...」という低い独特の話し方ではなく,きれのいい女性の声。そして,目の前を新幹線が通り過ぎるビュンッという轟音。臨場感たっぷりで,ドキドキした。しばらく旅行をしてないというのもあるのかもしれないなぁ。

 

朝起きたら画像が山のように送信されてきており,すぐにそれぞれに長電話した。楽しかった!街はすっかり変わったよーと,興奮冷めやらずの様子。    

 

開業前ということもあって安全がひどく心配で,何故だろうかと考えてみると…列車内で誘拐や殺人事件が起きるという西村京太郎のミステリー小説を読んでいたからか。元々,重度の心配性だし...。

 

西九州新幹線の話は,日本にいた頃,随分昔からあった。何を夢のような話を,と皆思っていたはず。工事を見ていても本当に完成するのか懐疑的だった。

 

自分はぼうっとしていても,どこかで誰かが長期的な視野・綿密な計画・やり遂げるという信念で臨んでいる。土地を手放した市民にもいろんなドラマがあって...久々の明るいニュースではあるが,変わりゆく故郷の様子に,ひどく泣けてきた。

 

家族には「自分ももう乗った気がしている。ありがとう」とラインした。人々の幸せを乗せる新幹線であれと心から願う。