夫と日本のテレビドラマを見ていた時のこと。夫婦仲の良い若い主人公のドラマで,夫は何やら非常にビックリした様子。
「ベッドが2台!夫婦が別々に寝るって,どういうこと!?」
あー...。狭い寝室にシングルベッドが2台,しかも離れて並んでいた。
私「仲が悪い訳じゃないんだよ。安眠できないとかいう理由で,離れたベッドで寝る夫婦もいるらしい。別室という夫婦だっているみたいだし」。
夫「別室?考えられない!アメリカじゃ離婚するということを意味する」。
私「まあ,ベッド2台から別室になり,その後別居して離婚というコースはあり得るだろうけど」。
言われてみると,夫婦別のベッドや別室で寝ているアメリカ人は知らないなぁ。マスターベッドルーム(master bedroom/主寝室)というのは,部屋もバスルームも一番広く,ウォークインクローゼットもついてたりして,ドアには鍵がかかる。ここをどちらか一人だけで使うというのは考えにくい。
余談だが,主寝室をオフィス(書斎)として使っているアメリカ人夫婦を知っている。隣の狭いベッドルームが2人の寝室だ。
夫婦仲については内科や婦人科でも問診があるので,ベッドが別なんて言ったら確実に不仲とみなされるだろう。きっと理由を聞かれ,それでもその答えに納得しないはず。マリッジカウンセリングを受けるように指示されるかも。
日本で買った本(効率化や集中力に関すること)に「男女では,眠るための温度も寝る時刻も違う。いい睡眠をとるために,夫婦は別室で寝ることを勧める」と書いてあった。うーーーん。効率でいうなら,ベッドの購入やマットレスの交換にかかる費用や時間,光熱費も無駄。どうせ,シーツの洗濯なんかは奥さんにさせてる訳だろうし。1台ならベッドメイキングだってどちらか一人がすればいい。
よくわからないが,アメリカのベッドは,ダブルの他にもキングやクイーンサイズベッドがあって,ベッド自体が大きい。シンプルなシングルに比べたらフレーム装飾も美しい。広い寝室の真ん中にドンと置いてあって左右どちらからもベッドに入ることができるので,互いの睡眠を妨げることもない。
アメリカでは来客に家の全室をお見せすることが多く,マスターベッドルームにシングルが2台離れて置いてあったら...みんなビックリするに違いない。日本人の家の寝室はめったに見る機会もないし,ベッドでなく畳に布団を敷くこともあるし,日本人についてはわからない。
ま,夫婦別に寝ているとかわざわざ不仲を匂わすようなお知らせをする人もいないだろうし,そういう話はあまり聞きたくない。要らない情報か。