「世界にたった一つしかない」とか「あなただけのオリジナル」いう手作り教室の宣伝文句。

 

料理でも手芸でも作文でも絵でも,手作りって...失敗しても成功しても,世界に一つしかないから!日常生活で作る朝食の味噌汁だろうが手縫いの雑巾だろうが,世界にたった一つ。うまくできたねとは思っても,取り立てて感動しないでしょう。

 

例えば,フラワーアレンジメント教室なんかで「世界にたった一つしかない作品を作りましょう」というような広告があるが,当たり前のことを言っているだけ!花も微妙に違えば,作る人間だって違うんだから,違う物ができるのは当然のこと。


ましてや初心者の私が作るんだから下手な作品,つまり世界で一つだけのものができる訳です。下手でも満足すべきと言っているか,初心者なんだからこういうもんでしょうと納得させるとも取れる宣伝文句だ。飛びついたりはしない。

 

また,先生をよく知っている人が,「このフラワーアレンジメントの教室はスゴイ!」と宣伝する。本人ではないので(最近は「私ってスゴイ先生って皆さんから言われるんです」のような赤面モノの自画自賛も散見されるが),一見客観的な意見のようだが,そこには何らかの利害関係があるわけで...。

 

人の言うことを鵜呑みにせず,冷静に「ホントに特別なのか」と考えること。ネット社会の現代においては,当てにならない情報も評価も一個人から発信される。誰かがいいと言えば,連鎖的に反応し影響される。

 

運命的とか世界に一つだけいう言葉に振り回されず,本質を見抜けるかどうか。それが地味だろうが批判されてようが人気はなかろうが,「これは本当にいい!好きだ」と思う人や物をわかるようになりたいと日々思っています。