冬が始まった頃,玄関近くのクローゼットを開けて...「あぁ,このニットのセーター,買った時に着たっきり。とにかく重い。果たして今後着ることはあるのか」とため息が出た。

 

2009年の夏にモンタナで開かれた親戚の結婚式に参列した。定刻に出発した飛行機がなかなか着陸できず,予定より40分遅れで到着。というのもこの日,オバマ大統領のタウンホールミーティングがモンタナ州の同じホテル・リゾートで開催されたから。


リゾート地だからホテルもやたらと豪華であったが,その中でも一番安い部屋を予約。ところが,部屋に入ってみると,キングサイズのベッドが2つ(2寝室)あり,リビングとキッチン(調理器具付き),バスルームが2つある立派な部屋だった。何ということだ,予約を間違ったと思って確認すると,何とスーパーリッチな花婿さんのお父さんが「ああ,アップグレードしといたからね。気に入った?」と言うではないか。

 

モンタナの8月は...ただひたすら寒かった。雪が降った。ヒョウも降った。コートは持って来ておらず,教会から車で移動する際,肩出しのイブニングドレスは凍え,みんなも無口。とてもではないが,最終日のイエローストーンの観光には半袖では行けない。やむを得ず,リゾートホテルのお土産店でニットのジャケットを購入。ものすごく高かった記憶があるが,背に腹はかえられぬ。

 

それがこのセーター。ジッパー付きだからセーターでなく,何と呼ぶのか,ニットのジャンパー?

フェルトでミニ・セーターも作ってみた!小さいから大して再現できず...。

クローゼットから12年ぶりに引っ張り出してみると...質が良さそうな雰囲気が漂っている。薄い裏地は丈夫そうだ。どれとタグを見ると,Dale Norway,メイドイン・ノルウェーと書いてあった。襟元・袖・フロントとポケットのジッパーにも美しいロゴがついているところを見ると,上質なセーターというのがわかる。両手で持てばずっしりと重いが,いざ着てみると全然重くない。全く疲れない。

タグにはWeather proof ・windstopper・water repellent(防水)という文字があり,何より防寒に優れている。冷気を完全にシャットアウトし暖かい。零下でも半袖シャツの上にこれ一枚でも冬が越せるほど。ヘビーブランケットというその名の通り重い毛布があるが,無駄に重い訳じゃないのだ。

 

服装で滅多に褒められることがないが,このジャケットについては何人からも「それ,すごくいいね!」とか「どこのブランドなの?」等と言われた。そうなのか。ふぅむ...。

 

流行を問わないデザインなので,誰も12年半前に購入したものだとは思うまい...。思わぬ掘り出し物であった。