6年ほど前作ったカードですが,プライベートクラスでの出産祝いのサンプルです。

「コーラルピンクと黒の組み合わせで」というリクエストで何枚か提案しました。

自宅クラスでは,生徒さんの希望に沿った内容になります。出産祝いに,黒......無い事もないけれど...。

黒xピンクの組み合わせは,夜の街や大人になった女性のイメージがある。強くて独立心があり,スタイリッシュ。黒は最も強い色なので,安易には使えません。この組み合わせのカードには有無を言わせない雰囲気が漂い,持てるのは「あー...作ってみたかったのね」という感想のみです。

モチーフは,化粧品や最新のファッション,パリ,そして華やかなダンスパーティーとかですかね。子どもに使うとしたら,16歳(sweet 16)の誕生日や20歳の成人式かなという気がします。

花嫁さんが黒のカラードレスを着ることもあるし,それはそれで個性的。黒はフォーマルで格調も高く,おめでたい場の洋服には普通です。しかし,本人が選ぶのではなく,出産祝いや結婚祝いにわざわざ黒を使うのには,やはり抵抗があります。デザインする私の立場で言えば,その方を全く知らないからなおさら。水引も黒は仏事ですしね。

出産祝いの色の考え方も,本当にいろいろ。青ベースのカードというリクエストに男の子だと思っていたら,「女の子の誕生。上の子も女の子だったので,今度は青に」と。逆に,ピンクでという希望に女の子ですねと答えたら,「男の子の誕生。お母さんがピンクが好きだから」とか。

当たり前ですが,カードの色はお母さんや赤ちゃんの希望ではない。

...受け取るお母さんは大丈夫かなぁ...青いカードって,「男の子だったら良かったのにね」というメッセージに受け取られはしないか。ピンクが好きって言っても全部が全部じゃないだろうし,女の子じゃないのに何故と思われるのでは...と心配になってしまう。しかし,そこまで踏み込むのも難しいので,リクエスト通りに準備します。

オーソドックスでは物足りない,個性を出したい,工夫を見せたい...という気持ちもわかります。手作りだから何でもできることはできる,せっかくなので変わったカードを,なのでしょうかね。

出産というデリケートな状況の記念すべきカードですから,定番から大きく逸れないことは大事。ちょっとでも引っかかりがあれば,やめた方がいいと思います。