「大きいクラフトパンチは…」(2018年4月)

 

 

と「買わないクラフト道具」(2020年8月)

 

 

で書いたが,引き続きということで②。私が買うことがない道具はナントいっても大型のパンチで,今回はアルファベット文字・数字のパンチボードについて。

 

ちなみにこの記事は,数千円くらいどうってことないとか,使ったら売ればいい,とにかく絶対に欲しい!という人に向けては書いていない。

 

買わない理由は...

 

1.使わない。

2.デザインが...。

3.大き過ぎる。

4.(ダイではなく)パンチだから。

5.高価。

 

1.使わない。

カード作りにはもちろん不要だが,これを買う人は壁に飾るバナーやスクラップブッキング等の大きな作品を作りたいと漠然と思っているのだろう。

 

バナーについて言えば,5年ほど前に友人のお子さんの卒業パーティのために手作りのHappy Graduationと Congrats!のバナーをプレゼントしたことがあるが,もう絶対に作らない!アルファベットのダイカット文字(24枚)を切って円形の台紙に貼り,飾りも付けず紐を通すだけなのに数日かかった。使った紙の色は高校のスクールカラーで,同じ色の紙も糊も大量に消費。何しろ大きく数もあるからオリジナルを出す余裕もなく,作業は極めて単調で苦行。苦労して作った割には,広いパーティ会場(リビング~キッチン~テラス~プール)では地味で誰の目にも留まらなかった。

 

バナーは,クラフト店やパーティストアに売っている。多分,普通のデパートのパーティコーナーにもあると思う。完成品を買った方が安く,ゆがみもなく,キラキラと派手で当然目立つ。キラキラしたクラフト紙をバラで買うのは結構高い。パーティ装飾は丁寧さや紙質ではなく華やかさが重要で,せっかく手作りするなら手元にあるような小さい物がいいだろう。

 

日本でも100円ショップにもあるのでは。Happy Birthdayを1セット持っていれば何度でも使える。

 

2.デザインが...。

 

UとVはほとんど同じで比べてみても区別に苦しむし,何なのかわからない記号はどうも&のようで,英語ネイティブの夫に見せても,何なのかわからないと言ったほど。数字も電卓表示のように事務的で,クラフトっぽいかわいさに欠ける。

 

同じ直線や曲線でいろんなアルファベットを作るのだから,ラインは単調で美しさに欠ける。幼稚園や保育園の壁面構成に使われているような子ども向けの丸みを帯びたデザインだが,丸っこい=かわいいというわけではないでしょう。まあ,ザ☆工作的な形が好きな人もいるだろうから...好みですけどね。スクラップブッキングのレイアウトにしたら,この字形だとトーンダウンした渋い色やパーツは合わない。無味乾燥な文字は,ダサさ倍増にひと役買うアイテムとなる…。


12インチ四方の大きいレイアウトだからといっても,大きい文字が必要なわけではない。単純に,大きい作品=大きいパーツと思い込み,道具まで大型化したり。大きい道具は本当に邪魔!!私が作ってきた作品においては,大きい字は不要。主役の写真を最大限に生かし,この大きく太い文字で,大人向けのセンスの良い作品にするのは至難の業だろう。

 

壁文字以外では使い道に困るデザイン(大きさ・形)だ。

 

3.大きい。

この商品はパンチなので,収納スペースがあっても,出したり片付けたりが面倒。しょっちゅう使わないと,取り出しにくい所に保管して存在すら忘れたり。出してポンと押せばすぐに好きな文字が切れる訳ではないし,説明書を読むと考えただけで使う気が失せると思う。


アルファベットごとに説明書を見ながらのパンチ作業だ。バナーのフレーズなら,10枚以上は要るだろう。同じ色の紙がたくさん必要になるため,多色入りセットではできない。例え失敗しなくても紙をものすごく消費する(大きな切れ端が大量に出て無駄)。私の場合,切る作業=何も考えない・疲れている時の休息なので,あんまり頭を使いたくない。

 

4.パンチだから

以前にも書いたように,パンチは小さい物で使用頻度が高い物だけを買う。最後に新品で購入したのは10年ほど前かも。本帰国する日本人の生徒さんに「もらって下さい」と頂いた大型パンチもいくつかあるが,重いので持って帰りたくない気持ちはよくわかる。ダイとは違ってパンチなので,切り口も美しくない。

 

5.高価。

1~4を踏まえた上で...不要のひと言。アルファベットのパンチボードは持っていないが,今回動画をちらっと見たが使ってみたいとは思わず,例え無料であってももらわない。

 

日本にないから欲しくなるのであり,便利な道具を買えばいい作品ができそうな予感もする。気のせいです。高価な電子辞書を買っても英語が話せないのと同じこと。この字体が大大大好きで購入したという人はいないと思うが…。多分一回使えば,なるほどねと納得し飽きると思う。


実は,他のパンチボードは3つも持っていて,もう何年も(8年以上?)タンスの肥やし。

個人的にはホントにすぐに飽きたが,発売された頃のクラスでは一応紹介した。手順の説明書を読むことが必須であり,よほどの気力がない限り出して使おうとは思わない…。便利そうなキッチングッズと同様で,そのうち使わなくなる。

 

使用可能年齢はわからないが,子どものおもちゃにはいいかも。大人用のクラフト道具はキッズ用とは違うので,きちんと確認して安全に使うことが求められるので要注意。

 

そのうち,絶対に新しくて良い商品も出てくる。時間・無駄にしていいお金・簡単に出し入れできる収納場所があり,手間を惜しまず失敗もいとわない気力,そしてこの字形が好みでこの字形に合った作品が好きならば,買うに値する(あまりいないと思うが)。

 

自分がどういうテイストの作品が好きなのか,この道具がそれを叶えてくれるのかを知ることに尽きると思う。1つのパンチボードでアルファベット・数字が全部カットできるのは便利そうで魅力的だが,何でもできる道具というのは個々においての機能やデザイン性は低く,一か所破損すれば輝きを失い,特別なものはできないということでもある。