オンラインショッピングで,「お買い物マラソン」というキャンペーンのようなものがある。…すごいネーミング。マラソンは,長距離を走り続け,タイムや順位を競うという過酷なスポーツだ。息が途絶えるまで,買い物をし続けるのか?恐ろしくて見る気がしないが,売り文句なので大半の人には魅力的な響きなのだろう。買えば買うほどお得になるのか。まさか!買えば買うほど物(不用品)は増えるし,いくらセールでも無駄使いだし…。要らない物にお金を出しているということで,間違いなく後悔すると思う。 

 

価値観は様々だが,わからないものが本当に多い。

 

運転免許を取る際には自動車学校や教習所に通うが,他と差別化するために,昔「ここでは有名メーカーの〇〇という車を運転できます」と宣伝していたのを思い出す。練習中でぶつける可能性もあり,返って集中できないのに,本気で高級車に乗りたいのか?と不思議でならなかった。高級車は導入しなくていいから,教習料を安くしてもらいたいと思うのが普通ではないか。

 

クレジットカードをたくさん持っていることやゴールドカードを自慢するという感覚も,理解に苦しむ。クレジットカードをたくさん持てば管理できずに,必ず振り回される。こんな金銭そのものズバリのモノは自慢すればするほどねたまれて危険だろうが,そうじゃないのか。アピールしても何の利益にもならず,単なる見栄のためで,これこそ最大の無駄遣い。


高級車を所有しているという自慢も理解しがたい。うちの実家では,車は動けばよし・燃費が第一,という考えであった。夫も外部(人)から見える物にはなるべくお金を使わないということを強調しており,お金を使う際はものすごく用心している。うらやましがられたくもないし,ましてやねたまれればろくなことがないから。

 

タワーマンションの最上階に住むのがステイタスというのも,驚いた。ましてや,下層階の住民をバカにするとか,信じがたい。20階や30階建てに住むのは,何より恐ろしい気がする。台風などの自然災害でも揺れそうだし,エレベーターが使えなくなったらどうなるのかと思っていたら,本当にそういうことがあったらしい。窓からの素晴らしい眺めよりも,地面になるべく近いところに住むのが落ち着くと感じるが…。

 

海外に長く滞在している日本人がリーダー(頭)になり,新しく来た日本人を下っ端として扱うという話にも言葉を失った。マンガの世界ではないらしい。


確かに,昔「在米30年の〇○さんに従うべき」と決めつける人もいた。長く住んでいる人や年長者には教えてもらうことが多いから,その点では本当にありがたい。しかし,滞米年数を問わず,互いを尊重すべきで正しく判断するのは当然のことだ。狭い社会で互いの夫の収入や会社の補助を比べたり,英語力や容姿を見下したりねたんだり人をコントロールしようとしたり…こういうことに振り回され,ストレスを溜める…というのは,虚しい。人生,短いぞ!!

 

先日,日本にいる友人から「アメリカには平均身長ってないですよね」と書かれたメッセージが届いた。ない。平均体重もアメリカ全体での平均年収もない。何においてもあまりにも幅が広く,1%の大富豪が平均年収を押し上げるから。体格なども見ての通りで,超肥満の人も多いし。平均的という概念がないし,個人主義の国なので,人と比べることは意味がない。何だっていい,自由でいられる。 


周囲に振り回されないように,とつくづく思う。