アメリカで驚いたことの一つが,Time to change(替え時)の感覚。
アメリカ人達が言うのは,「食器洗い機はもう10年も使っているから替え時だった」,「気分転換に壁の色を変えた」,「あのバスルームはちょっと古いデザインだったから」。
...どっこもどうもしていないのです。
年明けにキッチンの床を張り替えたというお宅を見に行ったら...全体的に雰囲気が変わっていて...
「冷蔵庫もね,壊れたから買い替えたの。で,この冷蔵庫のデザインに合わせて,ホームアプライアンス(電化製品)も全部交換したのよ」
「全部?全部って?」
「ストーブ(オーブン&コンロ),電子レンジ,そして食器洗い機よ。でも,カウンタートップ(調理台)はまだ前のままで...」
調理台交換はよく話題になる。大理石かどうかだ。
折込チラシを見ると,リモデル・リノベーション(改装)か修理の宣伝が多い。ビフォーアフターの写真のビフォーでも十分きれいなのに,改装する人の多いこと。売るために全部改装するのはわかるが,自身の気分転換のためには決して安くはなかろう。それでも,日本でする改装よりもはるかに安価だと思う。
住居は維持するだけでも非常にお金がかかる。予測のつかない医療費(保険料・健康維持費も含む)の次に高額だろう。ローン・固定資産税・管理費・住宅保険・暖房等の定期点検(交換)・修理...。ボイラー破損等地下室に関しては,浸水被害の後始末が大変だと聞く。季節に応じて,雪をかき,芝を刈り,雑草を抜き,落ち葉を集める。植え込みの剪定に,外観を美しく保つための飾りや花も必要だ。春には土を入れて花を植え,毎日手入れをする。住宅維持のためには,備えておかないと大変なことになる。
しかし,壊れる前に補強・交換することで,他へのダメージも防ぐことはできる。売買することが前提になっている住宅の資産価値を高め,さらに心地よい住まいで暮らすことにはお金は惜しまないのだ。
壊れてもいないのに買い換えるということには,かなりの罪悪感がある。交換はいつでもできるわけだし...。節約・備えを賢くしつつ,自身の性分や身の丈に合わせて生活を豊かにできれば...と思う。