日本国内の放送とは数回遅れで,テレビジャパンの「半沢直樹」のシリーズ2を視聴している。前回のシリーズを一緒に見た夫が,「英語字幕付きではないが,同時通訳しなくていいよ。自分で理解するから」と言う。
無理やろ...こんにちはとかありがとうレベルの日本語力なのに。まぁ,過去には私の一時帰国中に一人で見た韓国ドラマ(日本語吹き替え)の3回分を説明してくれたりもしたこともあったが...「小説家だから展開が推測できる」のだと言う(ホントか!?)。
「半沢直樹」の場合は,悪者は明らかな悪人顔なので何となくはわかる部分もあるだろう。私も私で,登場人物の名前を覚えておらず,しかも岡社長と三木さんが同一人物に見えて混乱してしまった。銀行や株取引の仕組みの専門的な英語に詰まったり,展開に驚いてのんきに楽しんでいたりする暇はない。
倍返しはダブルリベンジ,恩返しはリターン...主人公の決めゼリフにも関わらず,適当な訳。「10日前」や「会議当日」等の画面に表示された日本語の言葉の通訳も必要であり,大事なセリフを聞き逃してしまうことも度々だ。夫には一応詫びるものの,「プライベートの同時通訳が無料なんだからね!」と強気な姿勢を示している。
土曜の朝になると,夫は「今夜はハンザワだな!」と目を細めて顔真似をしながら嬉しそうだ。見終わると,「は!?終わり?たったの10分しかなかった...」と肩を落としている。
数か月前だったろうか,日本にいる友人が「きのう何食べた?」というドラマがとてもおもしろかったと勧めてくれた。テレビドラマの話を友だちとしたことは全くないので,勧めるということはよほどよかったのに違いない。運良く再放送を見たが,その通り!魅力的な人物像,家族・同僚・友人関係,具体的でおいしそうな料理の作り方,セリフの無駄のなさ,一話ずつのドラマの構成...テンポもよくて,夫ではないが視聴後には「えっ,もう終わり?」とがっかりした。
やはり,ていねいに作られたものは観る者の心をつかむ。...テレビドラマに限らず何でもそうだ。
私はマスク・夕食・カード作り等はすべてボランティアでやっているが,夫から「お金をもらっているのと変わらないように作れ」と言われた。仕事だろうがプレゼントだろうが,作るのは私。クオリティーに差をつけてはいけないのだ。量産はできないが,一つひとつていねいに作り続けたいと思う。