意図的に,ありふれたつまらないカードを作ってみた。
ヤシの実の代わりに,ハートをつけて夏の結婚記念日のカード...という恥ずかしくなるくらい,ありがちな発想。

夫に見せたら,案の定「......これにどうコメントしろって?」とすぐに目を背けた。だからどうした,という駄作。

私が「今アメリカでは,こういうデザインが流行っているんです」とか「キャーかわいい!」等と自画自賛して絵文字でもつければ,ダサいカードもそれなりの評価を得るかもしれない。または,「新製品です!売り切れ続出」と購買意欲をあおったり,画像に加工を施したり...。

流行はすぐに去る。そこに残ったのは,使わなくなったスタンプやパンチの山,高額のクレジットカードの明細,そして「どうしてこういう物を買った(作りたいと思った)んだろう」という後悔だけだ。

「あの人がオススメと言っているんだから」とか「あの人は今すごく人気があるので」と,簡単に他人や大多数の意見に左右され,すぐに飛びついてしまう。フェイクニュースをすぐに信じる人だ。純粋と言えば聞こえがいいが騙されやすいので,こういう人に(名声や金目当ての)他人が寄ってくる。

一時帰国中に,「アメリカで何を得たかっていうと,人を疑う心」と食事中に言ったところ,義妹が口の中の物を吹き出しそうになり慌てていた。冗談ではなく本気で言ったのだが...。信頼できない物や人も多いのはわかったが,渡米当初は何でもすぐに信じ,しかも騙されても気づかなかったと思う。

アメリカに限らず,本当にそうか?と必ず立ち止まり,疑ってかかること。何においても,つまらないモノはつまらないとわかる自分の目を育てることだ。