アメリカに来て知ったのは,この2つの古典文学が欧米でいかに人気が高いかということ。「高慢と偏見」のジェイン・オースティンの小説「エマ」は来月上旬,「若草物語」は新しいバージョンの映画が現在上映されているようだ。

 
こちらは,現在発売中のLIFEの若草物語の特集号。

ジェイン・オースティンの「高慢と偏見(Pride and Prejudice)」は夫が大好きな小説で,映画のDVDも何十回と観ている。4年前の大統領の指名選挙の際に,ヒラリークリントンが最も好きな小説であるとスピーチで述べていたなぁ。渡米後初めて一時帰国した時は,「読んだことがない?一体どういうことだ,日本語版もあるだろう!」と半強制的に(?)購入させられたが…。
 
ジェイン・オースティンがどれだけ好まれているかを証明するものとして,クラフトをする者の立場からスタンプセット(Simply Jane / Papertray Ink社)の存在が挙げられる。しかも,持っている。小説(エマ・分別と多感・マンスフィールド・ノーサンガーアビー)の一文のスタンプがずらり!バレンタインカードにも,ベストカップルの象徴としてElizabeth & Darcyと書いてあるのを見たことがある。本を読んでいなくても,主人公エリザベスとダーシーのカップルの名前は大概の欧米人は知っているのではないかと思う。
 
このスタンプセットから「高慢と偏見」のフレーズをひとつ。You must allow me to tell you how ardently I admire and LOVE you. アメリカのカードなら,I love you.とかXOXOでずばっとさらっと済ませるところだろう。ものすごく回りくどい言い方なのだが,このブリティッシュ英語の美しい表現や単語の選び方がたまらないのだろう。うちの夫も,直球ではなくこういった複雑で詩的で変化球的な表現を好む。

イタリアの義姉が6歳の頃から好きな小説が「若草物語」。英語のタイトルはLittle Womenだが,昔義姉からその本を読んだことがあるかと問われた時は,「小公女(A little princess)」のことかと思った。
 
ドレミの歌で有名な「サウンドオブミュージック」もそうなのだが,外国の小説の国外亡命や戦争,階級による身分の差などはどうしてもピンとこない。英文学を楽しむには,時代背景や文化に基づくものの考え方をある程度理解しておかねばならない。アーサー王のキャメロットの映画も途中で挫折し,夫を大いにがっかりさせ,根に持って未だに言われているが…。しかし,日本を描いた"Memoirs of Geisha (Sayuri)"も,アフガニスタンを舞台にしたKite Runner(カイト・ランナー)も全米でベストセラーでいずれも非常におもしろかったし…やはり,読者(私)の力不足ということだな…。
 
昨年,夫からの提案で,「最近アンタは本を読んでいないようだから,残念だ。毎日一時間,一緒に読書をする時間を作ろう」と提案された。読んでいない本はたくさんあるので,近々実行したい!