「家に帰ったら,冷蔵庫のバクラヴァを…」,そう思って帰宅した猛暑日のミシガン。
世界中の異常気象で,冷夏で始まったミシガンの夏も高温警報が出た。イラク育ちの夫が経験した最高気温は130F(摂氏約54度)だそうで,夏には家族全員が家のroof topで寝ていたそうだ。roof(屋根)と聞いて,愚かにも「三角屋根でどうやって寝るんだろう?」とぼんやり思ったものだが,roofは屋上のこと!当たり前だが,平らな地面の上にある屋上用のベッド(1年中放置されている)で,星空を見ながら寝たという。雨は降らない地域なので安全で平和だったそうだが,今日は爆弾の雨が降っているのか…。
先日,親戚からバクラヴァを頂いた。これは,ピスタチオやクルミなどのナッツを練り込んだ小型の中東のパイ菓子だ。中東のペイストリー専門店やスーパー,カフェだけではなく,アメリカのスーパーにも置いてあるのではないかと思う。
ずしりと重く,甘味料でかっちりと固められていて,これでもかという甘さ。レシピもいろいろだろうが,バターに砂糖,はちみつ,そしてシロップをかけて作ってある。2個で限界だ。中東ではお酒を飲まない(イスラム教)反動で,大人の男性も甘い物を好むという説もあるらしい。気温が50度にもなれば,エネルギー消費も大きいため,甘いお菓子が欲しくなるのは納得だ。
中東の人達は大量の食べ物でもてなしてくれるのだが,いつも多過ぎて...日本人の生徒さん達にも何度かおすそ分けしたこともある。
一時帰国した時に,「アメリカのお菓子といっても特に珍しいものはないし,珍しいものは口に合わない。チョコレートは日本の方がおいしいし,暑い夏には無理。日本の土産物屋にあるような贈答用のお菓子もないし」ということで,バクラヴァをお土産に買って行ったこともある。ものすごく甘ったるくて,カロリーが高いのは明白なので,不評であった(気を遣ってまずいとは誰も言わないが)。
ここ数年の異常気象。日本の豪雨による河川やダムの決壊のニュースもよく見るし,アメリカ全土であちこちに洪水被害も出ている。現大統領は「地球温暖化は専門家のでっちあげだ」と全く取り合わず。今は経済的に豊かで贅沢できても,数十年後に自宅も職場も,そして命までも奪われる結果になるかもしれないのに。
昨夕の大雨のあと,2階から外を見ると...