毎年夏になると家の中の不用品を大量に処分するのだが,去年処分した大物にテレビ2台がある。2階の客用寝室と我々の寝室に置いてあったのだが,もう何年もスイッチすら入れていなかった。壊れているんじゃないかという気はしていたけれど,やはり夫が「どちらも壊れている」と言う。何故処分しなかったかと言えば,「使わないときに役に立つもの」という意識!

 

これは,子どもの頃読んだ漫画「ドラえもん」のあるエピソードによるもの。のび太が壊れた電気スタンド等のガラクタを捨てられずにたくさん所有していて,ドラえもんに「捨てろ」と叱られる。それに対して,のび太は確か「壊れた時計は,一日に二度正確になる」と反論(笑)。そして,「使わない時に役に立つんだ」と返答。子どもの頃はこの意味がわからなかったが,何となく引っかかってはいた。タイトルもストーリーも忘れたのだけはちょっと残念だけど...。

 

壊れたテレビは,見ることができない。でも,「客用寝室にテレビまで備えている」という準備万端さ!物があるという裕福感!形はあるという安心感!それが,のび太の言いたかったことじゃないのかと捨てる時になってはっと気づいた。奥が深い…!不用品は捨ててすっきりすべき,というのはもっともな話だけれど,要らない物こそ生活や気持ちを豊かにするからなぁ…。音楽CDも映画のDVDも花もクラフトもなくても生きることができるけれど,最低限度の要る物ばかりだったら,家の中は機能的過ぎて安心できない場所になりそう。

 

さて壊れたテレビだが,リサイクルに出せるのではないかと思ってBest Buyまで運んで聞いてみたら,何と費用がかかると言われた。一台につき,25ドルくらいだったか。新しいテレビを買えば,無料引き取りかと聞いてみたけど,変わらず有料という返事。結局,週に一回のリサイクル(かなり大型の物でも無料)の日に出した。最初から家の前のリサイクルに出しておけばいいじゃないかという声もあろうが,家電専門店ならよりよくリサイクルしてもらえるんじゃないかと思ったから。

 

ちなみに,うちにも一日に二度だけ正確になる壊れた置き時計が1つある。3ドルくらいの安物だったが捨てるのはいつでもできるので,とりあえず飾っている。