「外国に引っ越すときにサランラップを持って行く」とか「一時帰国した時に日本からサランラップを買って来る」などと聞いたことがあり,非常に驚いた。というのは,「大量に使うサランラップをわざわざ?アメリカのサランラップは上等なのに」と思っているから。

 

しっかり貼り付かないとかカッターがよく切れないという理由らしい。うーん…?

 

日本ではサランラップは,買うものではなくもらうものだった。ポケットティッシュや商店名の入った薄いタオルと同様,銀行や郵便局等の景品。預け入れはしなくても,何かの手続きや満期の更新などに出向いた時などに頂いたラップが実家にはどっさり。まあ景品だから貼り付き具合もイマイチだったんだろうが,市販品と比べる機会がないから気づかなかった。ラップの質はそういうものだと。で,アメリカで初めてサランラップを購入し,「すごくよく貼り付く!上等!」と驚いた。

Sam's clubの業務用サランラップは,大型箱なので毎日使っても軽く数年持つ。長さ3000 ft(=914.4m)・幅は12インチ(約30㎝)で,価格は約12ドル(今年大幅に値上がりしたと思うが)。うちのサランラップは,2018年12月5日に使い始め,  何と先日(2022年7月13日)使い終わった。3年半以上!

棚の片扉を開けたところにぴったり合う箱の幅で,ラップを引っぱり出しカッターで切り取るだけ。箱を手に取る手間もなし。吸着力や丈夫さなど質もよい。

 

自分の肌に直接触れるティッシュ(特に花粉症の場合)のようなものなら使い心地の良し悪しが重要だとわかるんだが,食品にちょろっとかけて捨てるだけのサランラップ。高級ラップは無駄だと思うけれど,ここはこだわるところなのか。ちょっとくらい貼り付きが悪くても気にならないが…。

 

そういうわけで,一時帰国した時は逆にお土産に買って行った。小型のスーツケースにぴったり2つ。今思えばギザギザのカッターがついているから手荷物は不可だったろう。

 

それにしても,アメリカ人が聞いたら,絶対にびっくりするに違いない。日本に一時帰国した時に人に会ったり買い物したりしたとアメリカ人に話したら,「え,買い物?何を?」と聞くので,買い物は絶対にするだろう!と思いつつ,食べ物とかと答えた。ものすごーく驚かれた。アメリカの食べ物とどこがどう違うのか?とか,日本から食べ物をわざわざ!ということ。日本食を知っている人でも,醤油も緑茶も海苔でも何でもアメリカにあるのに何故と思うだろう。サランラップやボールペンとか食器用スポンジなんて言ったら,腰を抜かすだろう。質の違いを知ってしまったら,こうなる。 

 

サランラップは,ペーパークラフトでも使える。水彩絵の具で着色する場合,濡れているうちにしわを寄せたラップを乗せてしわ模様をつける。青系ならば海の中のイメージになり,アートっぽい作品に。アメリカの水彩画教室で魚の絵を描いた時に習った。 
 

さて。英語でwrap upというのは,(仕事や議論等)を終わりにするという意味がある。Let’s wrap this up.で「終わりにしましょう」ということ。このフレーズが出る度に,「嗚呼,日本的!」と風呂敷に本やら筆箱やらを包んでいる様子が思い浮かぶ。