ハサミ(飾り切り)やカッター(曲線)の他に紙を切る道具として,クラフトパンチとダイがあります。いずれも,紙の中央部分を切り抜くことができる道具。

 

以前は受講したクラスでクラフトパンチを使った時に,使用した物と同じ物を購入していました。いろいろなメーカーがダイを販売するようになったのはそんなに昔のことではなく,それまではパンチが主流だったように思います。よって大きなパンチをいくつか持っていますが,全部昔に買った物。

 

私がダイカットマシンを買ったのは2007年の10月ですが,IOがダイを販売するようになったのは2012年。会社の設立自体についても,PTIは2007年,Taylored Expressionsが2008年,Lawn Fawnが2010年でどれも比較的に新しいのです。当時はSizzixやSpellbindersのダイくらいしかなく,デザインもイマイチでした。ところが今は次々に新しいメーカーが出てきて,素敵なダイをどんどん製造販売している! 

 

よって,パンチ,大きいものはほとんど買わなくなりました。

 

クラフトパンチは…

 

・大きい(かさばる) → 形も様々で収納スペースを取り,出し入れが不便。

・本体が重い → 持ち運びが不便で,郵送にお金がかかる。高いところに収納できない。落とすと床などが傷つく。

・カットするのに力が要る → 手の不自由な方は使えない。続けて大量にカットできない。

・切れ方にクセがある → よく切れない箇所があることも。

・切るものに制限がある → 厚めの紙や柔らかい材質のものには使えない。

・壊れやすい 

・高価

・切り口がシャープで,ダイカットのような丸みを帯びない。

 

使い込めば切れも悪くなり,堅くなります。アルミホイルなどで研ぐこともできるのですが,新品同様の切れ味にはならない。また,パンチには切り癖もあり,買ってすぐに返品したこともあります。「このパンチはこの部分を押す」とか「このパンチはここが切れにくい」,「この部分は油が出る」など使用にはコツが要ります。一方,千回くらい使ったと思われるダイでも切れ味が悪くなったものはありません。

 

厚紙のカットはムリ。ちょっと厚めの紙(といっても普通のBazzillのテクスチャー紙)を切り続けていたら,取っ手がボキッと折れたものもあります。ボーダーパンチに至っては,繊細なデザインの歯が折れたり,プラスチック部分が外れたりしたものも…。複雑なデザインはものすごく力が要ります。厚紙(厚さ約1㎜)の円を大量にカットにすることがあったのですが,シンプルな形なのに堅くて5枚やっては休憩していました。

 

アメリカ人の場合はクラフト年齢が高いこともあるからか,パンチを好む生徒さんは少ないのです。実際に,リウマチ,四十肩(五十肩),糖尿病…様々な理由でパンチはこちらでやってあげることになることもあります。「パンチは簡単」と思いがちですが,ダイカットよりもはるかに人的ミスが多い。よって,グループクラスでやるのはなかなか難しいのです。

 

ダイに比べて細かい模様のカットは苦手。もともとそういうデザインが少ないし,かなり力が要ります。ダイには1㎜のラインの模様が切り抜けたり,エンボス(ディボス)など他の加工もできたりするものも。何と言っても,丸みを帯びた切り口はダイならでは!

 

フェルトなど柔らかい素材もカット不可能です。今は手芸やその他のクラフトでも使う予定がなくても,今後思わぬところで使うことがあるかもしれません。

 

ダイは薄い金属板やマグネットなどの厚くて硬いものを切ることができるものも多いので,利用価値は大です。

 

エンボス加工を施された面の凸凹をつぶさずにカットできるのも,パンチの利点です。

 

ボーダーパンチも本当に気に入って長く使えそうなものだけを買いますが,最後に買ったのはいつだったか…。デザインも出尽くした感があり,凝ったものではなく様々なデザインにマッチするシンプルなものが好きです。よって古いものほどよい!

 

もちろん,パンチにはダイカットマシン(通常6インチ幅)に入らない大判の紙を切り抜くことができたり,スピーディにカットできる手軽さもあります。しかし,ダイの数多くの利点にははるかに及びません。思う存分使って中古品として売るのならば別ですが。

 

大型ではなくミニサイズのパンチは便利です。ねらって開けたい箇所がある時には小さな〇や□型は必需品。イチョウの葉,卵型,三つ葉,リンゴ,桜など1つの作品に大量に使うものはミニパンチが便利です。

 

使えるミニパンチについては,随時紹介していきたいと思います。