「最も惹かれるモチーフは建物だ」とか「最終的には自分の家を紙で作りたい」などと記事に書いてきました。既成の立体物用のダイではなく,平面のダイを基に計測しながら立体物に創り上げていくのは本当におもしろいものです!

 

ミシガンの家というか,西洋の家は本当に屋根の形が様々で装飾的。車窓からいくら眺めても飽きることはありません。今までは家や部屋といえばクリスマスかハロウィンものばかりでした。モチーフが多いからアイデアがなくてもそれなりにできるし,12月が近づけばどんなクリスマスの作品でも素敵に見えますからね…。

 

これから「ミシガンの家シリーズ」として,様々な季節における家と庭を紙で作っていきます。

 

まずは,イースターのおうち。4インチ(約10㎝)四方のてのひらサイズです。

集中して3日間で試作品が完成。

 

庭にはフェンスと草。そして,ウサギやアヒルが数羽。小さな小さなウサギのダイはアメリカ人の生徒さんに頂いたもの。先日会った時も「あのダイは使ったか?」と聞かれたので,慌てて使いました(笑)。

 

ウサギとアヒルが仲良くエッグハンティングしている場面で,これまた小さな卵(約3㎜)もフェンス沿いに貼っています。

 

地下(?)を開けると…大きなプラスチックの卵がすっぽり収まっていて,中には卵型のミニチョコレートを。地下のフタはパタン!と開閉もスムーズです。

右側の窓はくり抜いており,室内にスタンプしたコーヒーテーブルが見えるようにしています。

 

裁縫でも縫い代の処理をきれいにするように,のり代をきちっと処理してどこから見ても美しく仕上げました。よって,作り方の順序がとても大事!!!

 

あまりに注意点が多く,これをクラスで取り上げることは大きな挑戦です。自分で作るのも大変な作品を複数名に同時に作ってもらうには,細かな段取りが命。アメリカ人の生徒さんにも,「あなたのクラスは他のクラスとは全く違う。いつもチャレンジ!」と言われていますが,お互いがんばらないと…。

 

小さいパーツが多いのですが,厚手の紙を使ったり立体箇所は重ね貼りしたりしているためかなり丈夫な作りになっています。

 

基本的な道具の使い方に慣れて理解があることで,複雑な制作も楽しめます。この家シリーズは様々なテクニックと細かい制作工程などから,ペーパークラフトが全く初めての方向きではありません。細かいので忍耐も要りますが,完成品には満足して頂けると思います。

 

ただの飾る作品としてだけではつまらない。そこで,家シリーズはテーマ(ここではイースター)を決めて地下に収めるもの(お菓子)も工夫して,「作っても飾っても開けても食べても楽しい箱の家」にしていきたいと考えています。これまでの家型の箱は開閉部が屋根・煙突・ドアでしたが,今度は家そのものが蓋に。

 

この先,どういう作品ができるかはわかりません。というのは,クラフト専門店で柄紙を見たり,お菓子売り場でチョコレート類を見たり,近所の家の屋根を眺めたりしてから作品を考えるから。とにかく楽しいものを作っていきたい!

 

家といえば,今日近所のアメリカ人の方が南部の州へ引っ越しされます。15年前に購入した新築の家を「値を下げて,購入価格より1万ドル(約100万円)高く売った」と話されていました。車庫の壁も地下室の内装もやっていないそうですが,住宅は大きな投資。日本では築15年の住宅が100万円も高く売れるなんて考えられないでしょう…。

 

自分が住んでいたアメリカの家を紙で作って日本に持ち帰る…それができたらきっといい思い出になるでしょうね!