東日本大震災から6年が経つ。今回は,停電について少し書いてみたい。

 

ミシガン州は3月8日(水)の強風で,3日が経つ今も多数の家が停電しているようだ。うちは,その日の昼間に2回ほど瞬間的に電気が途絶えただけで済んだ。

 

日本では停電の経験が一度もなかった。父親が電力会社に勤務しているという友人は,「絶対に停電しないように,父はものすごく神経質だった」と言っていたのを思い出す。

 

うちの停電時の必需品は,夜釣り用のヘッドライト。一時帰国した時にドラッグストアで購入したが,アメリカでも入手できるのではと思う。

 

以前は,ろうそくを各部屋に置いたり懐中電灯片手に部屋を移動したりしていたが,電気のない不便さを解消するには遠く至らず。いずれもぼんやりした灯りが眠気を誘い,イライラと疲労も増す。

 

数年前一時帰国した際に弟の夜釣り用のヘッドライトを見て,即主人の分と2個購入。義兄も,夜に家の裏に生ゴミ処理(コンポスター)などに行く時に使っているというし…生活必需品だったのか。

 

光の度合いに種類,ベルトの長さや角度も調節できる。これを頭に装着すれば部屋の移動も簡単だし,皿洗いだって部屋の片付けだってできる。ろうそくも懐中電灯も要らず,電気がある状態と全く変わらず過ごせる。灯りは部屋全体を照らす必要はなく,目が向いている方に要るのだから。光もかなり強いので,推奨はしないが文字を読むことも可能。

 

ミシガンにおいて停電は何度も経験した。最長は5日間。ドイツから義姉とその娘さんが遊びに来た日に停電になったのは残念としかいいようがなかった。しかも,夕食を前にさあ頂きましょうと言う時に…。

 

うちは,停電でもお湯も固定電話(一台のみ)も使える。冬は電気毛布ではなく湯たんぽを使っているので,停電時でも大丈夫。

 

日本の入浴剤を常備している。アメリカの入浴剤はラベンダーの香りなどリラックス効果に重きをおいているように思うが,日本のものは体を温める効果が高いものがたくさんある。

 

停電の経験から,カセットコンロも一台購入した。非常時用に小型冷凍庫も一台購入して車庫に置いているので(普段は空っぽ),いざという時は食物と冷凍庫を車に乗せて友人宅の車庫に避難させてもらうということも可能。昔は友人がレストランを経営していたので,停電の度にレストランのWalk in Fridgeにお世話になったものだった。

 

夏に大型クーラーボックスに冷凍庫の氷を入れて食物を保管したこともあったが,店の氷もすぐに売り切れてしまうし…これは役に立たなかった。保冷材は通常からいくつか冷凍している。

 

日本食においては,常温で食べられる魚の缶詰やお湯を注ぐだけのインスタントのカップ麺に味噌汁,そして体を芯から温める生姜湯の粉末は常備している。白ご飯は中華料理店でもテイクアウトできる。冷蔵庫・冷凍庫は冷気が逃げるので,開閉しない。

 

アメリカではセントラルヒーティングシステムで全室24時間冷暖房が普通だ。より快適に過ごしたいという欲求から,冬でも半袖で過ごせるほど暖房の設定温度を上げる人もいる。電気代が安いからといってもこれは大いに無駄である。うちは夏もエアコンをなるべく使わず窓を開けたり(家の南北側に大きな窓があって風が通る),冬は日本から送ってもらった半纏(はんてん)を着たりして過ごす。冬の停電時は2階の寝室(客間)を使えばかなり暖かい。

 

隣の人が発電機を持っているので,いよいよという時はお願いすることも考えられる。

 

電気を使った便利なものやぜいたく品に慣れ過ぎると,少しの不便も苦になる。普段から精神的にも電気に頼り過ぎないようにしたい。ミシガンでは停電のみならず竜巻など最悪の場合もあるから,災害対策について考えねばと思う。