クラスを行っているクラフト店では,基本的な道具は参加者個人が持ってくることになっています。たまに持ち物に入れているのが,定規。rulerの他に,straight edgeとも呼ばれています。
あるクラス案内の文書をクラフト店に送信した後,持ち物一覧表のタイプミスに気が付きました。
Scissors, Glue, and Steal Ruler. 「ハサミ,糊,鉄製の定規」ではなく,「ハサミ,糊,定規を盗め」(笑)。もちろん,steel(鉄)が正しく,steal(盗む)のではない。
幸い,というか当然店長さんは訂正していてくれました。しかも,何も言わずに…。言い訳がましいですが…stealとsteel,発音は一緒です。
定規は,ペーパークラフトでは欠かせない道具。計測・線引きだけならば児童用のプラスチック製や木製でもいいのですが,カッターナイフを当てて切ることが多いため,スチール製が必要です。以前軽量の方が使いやすいと思って軽い定規を買ったところ,スチール製に見えたのですが,カッターで定規が削れ取られてしまいました…。ペーパークラフトメーカーのもので色も濃いピンクでかわいらしかったのですが,見た目につられてはダメですね。長く使っていると目盛りや数字の印字が消えてしまう製品もあるので,見た目や値段ではなく本当に使えるものを選ばないといけません。
あるクラスでアメリカ人の生徒さんが持って来た定規は…何と1ヤード(約90㎝)!!「うちにはこれしかないのよ~」と(笑)。工具用の鉄製の定規は不便(振り回しては危険)ですから,私のを使ってもらいました(笑)。
私がよく使っているのは,インチとセンチの目盛りがついたもの2本(12インチと6インチ)。
1つは,12インチ(約30㎝)で メーカーはStaedtler(ドイツのステッドラー社)。製図用品の他にも,色鉛筆や樹脂粘土(Fimo)などでよく知られているメーカーだと思います。ずっしりしており,建築家が使いそうな本格的なもの。クラスで使う長さの最小単位は1/8インチですが,この定規には1/16,1/32,そして何と1/64インチの目盛りまでついています。1/32インチ(1インチ=約2.5cm)が約1㎜ですので,1/64インチはその半分!
もう1つは,6インチ(約15㎝)。裏にコルクの滑り止めがついています。短いので筆箱に入れて持ち歩いています。クラフトなどで紙にちょっとした切り込みを入れる時に便利。
滑り止めがついていると定規に厚みがでますが,カッターで切り上げて指を怪我しないためにもこの厚みは必要です。
作品が小さくなると,どうしても細かい目盛りが必要になりますが,スコアボード(1/8インチ刻み)より短い計測はすべてこちらで事前に行っています。
アメリカに来た頃はインチがピンとこなくて,いちいち頭の中で㎝に換算していました。英語での会話がすっと入ってこないためにすべて日本語に訳して考えていたようなものです。ある時ふっと「換算する必要はない」ということに気づいてからは,楽になりました。インチで作成して,こちらの封筒に入れてこちらの切手を貼るわけですから,換算不要!
㎝表示付きがいいのは,帰国した時に使えるからというだけではありません。アメリカのクラフトクラスでも,センチの方が簡単にできるものを紹介されることがあります。シャーペンの芯も0.5㎜と表示されているように,何でもインチという訳ではないんですよね。
自分のものではない定規は目盛りの幅が異なって計測ミスをしやすいので,自分に合った長さの異なる定規を2本持つことをお勧めします。ポイントをまとめると,スチール製,インチ&センチ付き,1/16(またはそれ以下)刻み,滑り止め付きの製図用です。