数年前のある日,アメリカ人の隣人から電話がかかってきました。

 

「今日,会議でJBSD(Japanese Business Society of Detroit)の人に会ったんだけど,『日本の紙』についての冊子をもらったのであげるわ!」と言うのです。

 

これでした。

あれ,タイトルは「にっぽにあ」ではなかったか…?手持ちの他の冊子を見てみると,「にっぽにあ」とか「にっぽん」とかバラバラ。サブタイトルはDiscovering Japanで全部同じなのですが…。

 

これは,年に1,2回外務省から発行されている写真付きの英語冊子です(今はどうなのかわからない)。

 

日本が紹介する紙は,もちろん和紙。ちょうちん,傘,障子紙,天ぷらの敷き紙…実用的なものがずらり。

 

アメリカの紙といえば,台所の紙製品(ペーパーナプキンや紙コップ,茶色のランチ袋にワックスペーパー)やクリスマスなどのラッピングペーパーが思い浮かびます。実用的ではあるけれど,日本人にしてみれば生活必需品というよりは生活を便利にするためのものという感じですね。

 

アメリカに住んでいると,日本の友人知人達から折り紙・千代紙・大判の和紙を送って頂くことが多くあります。和紙は大きく何より高級過ぎて,よい使い方はなかなか思いつかない...。

 

ペーパークラフトでは,和紙といえばWashi tape(ワシ・テープ)のこと。日本でいうところのマスキングテープです。私のアメリカ人の生徒さんに限っていうと,Washiの意味を知っている人はいないのですが,Wash(洗う)をもじったものと思っているのではないか…?

 

壁のペンキ塗りをする時に覆いとして使うマスキングテープ(青やクリーム色)は,マスキングテープと呼ばれますが,「カーペンターズテープ(大工さんのテープ)」ともいいます。

 

アメリカ人の生徒さんのクラスで“You can use this masking tape”(このマスキングテープを使って下さい)と口がすべったら,“???You mean this washi tape?”(は?ワシテープのこと?)と聞き返されるので頭が混乱します。

 

ちなみに,日本でかわいいマスキングテープが世に出てきた時には私は既にアメリカにいたので,「マステ」という略語を使うなんて恥ずかしくて絶対にできない…。マステに限らず,流行時に日本にいなかった言葉は,自分のものとして使いこなせていないのがわかるので口にはできません。