TVジャパンの番組間に,プレゼントキャンペーン応募の宣伝がある。

 

「インターネットで応募してもらうが,ネット環境がない人はカスタマーサービスにお知らせを」という内容。

 

その日本語の文が,確か昨年になってから「インターネットをご利用になられない方は・・・」が「インターネットをご利用にならない方は・・・」に変更されていた!

 

やっと誰かが指摘したのであろう。それにしても随分長い間かかったものだ。

 

もちろん,「ご利用になられる」は二重敬語,つまり過剰な敬語で誤用とされる。尊敬を表す「お(ご)~になる」と「~れる(られる)」の二重使いなのである。

 

二重敬語は巷にあふれ返っているので,「ご利用になられる」と聞いても違和感がない人も多いかもしれない。「ご利用になる」では敬意が足りない!尊敬しまくるに越したことはない!とばかりに,二重,三重の敬語を作り出す。周りのみんなが使っているので自然と自分も使うようになる。しかし,間違いは間違い。  

 

カリフォルニア在住の生徒さんにオンラインで日本語を教えているが,親御さんにこう言われた。「確かにカリフォルニアには日本人や日系人も多く,日本語の学校や個人教師も多い。しかし,コミュニケーションレベルばかりの指導で,アカデミックに指導できるネイティブの日本人教師はいない」と。

 

例えば,「うちの奥さんは良く風邪になって,今日も熱で無理っぽいから,家から出れない」はいわんとしていることはわかる。「うちの妻(家内)はよく風邪を引いて,今日も熱が出て無理のようだから,家から出られない」が正しい。

 

海外在住だと,「通じればいい日本語」というレベルになるから,ますます誤用は加速するだろう。誰も誤用を指摘しない。通じればいい日本語程度では,家族や友人との会話止まりで世間(就職)では全く通用しないことを肝に銘じておく必要がある。