日本で「手作りグリーティングカード」の本といえば,開けば中の飾りが飛び出すようなポップアップカードが主流でした。カードの外側ではなく,内側を飾るものです。

立体的に飛び出すカードの基本的な作り方は,まずカードの中央辺りにカッターで切り込みを入れます。飛び出た部分に飾りのパーツを貼り,切り込みの裏側を隠す(?)ために,カードの表にもう1枚紙を当てて貼るというもの。

ダイカットやスタンプなど特別な道具が要らないため,誰にでも簡単にできるという点は非常によい。

…しかし,材料(紙質・色)や道具(ハサミ・カッターのみ)のせいか,時代遅れという感じが否めず,洗練されていない。デザインも大人向けではなく子ども向けの工作の範囲であり,カワイイとされるもの(リボン・ハート・花・パステルカラー等)が多い。

そういうわけで,この切り込み式のポップアップカードにはなかなか着手しないでいました。

それが,ようやく今!どっぷりハマっています。現在,楽しい作品が7枚できあがったので,紹介していきたいと思います。

まず,このクッキーが焼けているオーブンのカード。

オーブンに見立てているのは,Loads of Funの洗濯機。洗濯機のスタンプを見たときに,「これはオーブンにも使える」と思っていましたが,ぴったり!

オーブンの中のクッキーを表現するには,ポップアップカードの形状が最もしっくりきます。

洗濯機の丸い窓枠はマスキングしてからスタンプ。そこを正方形でダイカットしてくり抜きます。

オーブントレーは2段。下段は台紙に切り込みを入れ,上段は別紙を貼り合わせています。

クッキーもLawn Fawn(Cookies and Milk)のスタンプセットのものです。テイストはもちろん,形や大きさなども恐ろしいほどにぴったり…!

カードを開くと立体的なオーブンが飛び出てきて,さらに割りピンで留めたオーブンミトン(鍋つかみ)を回すと,オーブンの扉がポトッと音を立てて開きます。一枚で2度楽しめるカードです!

ちなみに,アメリカのオーブンは床面から腰あたりまでの高さの直方体状で,コンロと一体になっており,ストーブと呼ばれています。うちのはスムーズ・トップ(五徳なしで円形の柄がついた平らな加熱台)と呼ばれる電気コンロですので,まさにこの洗濯機のスタンプはストーブなのです。

3Dポップアップの形状なら,コーヒーカップなどの食器棚や冷蔵庫,調理台など立体的なカードがいろいろできそう!!

両面異なった柄がプリントされている厚手の紙を,最大に生かせるのもこの形状。クラスを担当している専門店では月に2回は柄紙が入荷しています。デザインが思い浮かばなくても,お店で柄紙を見ているうちにひらめくことが多いので,楽しみです。