あらためて,北米で印刷されている日本語の印刷物にじっくり目を通してみた。特に広告欄。

内容も文面も昔からほぼ変わっていないのだが,慣れとは恐ろしいもので,「この日本語はおかしい」と思わなくなってきているのに気がついた…。

1.英語を一語一語,語順通りに翻訳したような堅い日本語。例)ほとんどのクレジットカード使用可。「~ための」や「~ことに」の多用。

2.英単語を耳で聞こえた通りにカタカナに直しているもの。例)セリヤル(シリアル/コーンフレーク)

3.(とりわけ渡米間もない)日本人には通じないであろう英語をカタカナにしたもの。例)レセプションをカスタマイズ(ド)してオーガナイズ(ド)して,ラグジュアリーなディナーをサーブします。

4.日本語で十分通じるのに何故か英語。例)アップルをピックする。(リンゴ狩りをする)

5.和製英語や省略語を使っていないものやその逆。例)ガス・ステーション(ガソリンスタンド),プロフェッショナル(プロ),フルーのショット(インフルエンザの予防接種)

6.やたらと漢字を使ったものや誤り。例)御出掛けする。良く行く美味しい店。置いて置く。係り員。記事を乗せる。

7.広告主本人が,自らを「~先生」と敬語で呼んでいるところ。

8.言葉や文の間違い 例)「ほとんどのアメリカ人には,日本語を話せる医者が多数です」,「重大な書類の翻訳」(重要の間違いか)

「大変大切です」も実際に聞いたことはありませんが,いかがでしょう?「とても(非常に)大切です」または「大変重要です」なら使います。「大」を重ねて使うということから馴染みがないように思いますが…。

随分前ですが,日系の印刷物にあるアメリカ人の手芸教室の広告が出ました。そこには「特殊な針を用いる」と書いてある。普通の針ではないと言いたいのであろうが,特殊って…何かコワイ。光線でも出そう(笑)。記者の方(知人)に「専用の針」で十分ではないかとお伝えしました。

日本で出版された印刷物,特に書籍を読むことが大事だとつくづく思います。