先日,隣の家でクリスマスパーティがありました。毎年夏には近所の人たちとピクニック・冬にはクリスマス会をやっています。

うちのご近所さんどうしは本当に仲が良い。手術後に車の運転ができない人がいれば病院や買い物に連れて行ってあげるなど,親切な方がたくさんいます。私が平日に日本に一時帰国した際も,反対隣の方が空港まで送り迎えをしてくれました。私がアメリカに引っ越して来た時にも,ご近所さん(全員アメリカ人)が数軒集まって歓迎会を開いて下さったのです!

クリスマス会の招待状には,毎年こう書かれています。

In the spirit of the season, please bring nonperishable items or a cash donation which will be given to ~(慈善団体の名称).

nonperishable itemsというのは,腐らないような(生ものではない)食べ物ということ。缶詰やパスタなどの麺類,シリアルなどです。皆で集うこの機会に,近くの慈善団体に食べ物や現金を集めて送るのです。

日本のクリスマスは,子ども達ににサンタクロースが来たり,恋人に豪華なプレゼントや外食を用意したりするかもしれません。アメリカでは,友人らにも贈り物をするだけでなく,お歳暮代わりとして上司や教師に贈ることもあるでしょう。

アメリカでは,すべての人が幸福になるようにというSpirit(精神)が存在するのがこのホリデーシーズン。知っている人達だけではなく知らない人たちとも幸福を分け合うこと。「シェアする」という言葉は,「レストランで料理を数種類頼んで分けて食べる」ことや「部屋を共有すること」によく使われていますが,ホリデーシーズンのSharingは,こういう気持ちや行為のことですね。

講師をしているペーパークラフト専門店では「今年は2組の家族の支援をする」として,家族構成と必要な物のリストをウェブサイトに掲載。洋服や靴のサイズ,好きな色まで書いてあるので,支援もしやすいと思います。「サイズさえ合えばどんな色でもいいでしょ。ただでもらう物にケチをつけるな」ではなく,ご家族の希望をきちんと聞いて人権を尊重し,幸せになれる支援の仕方です。この店の経営者には頭が下がります。

うちの主人は,「今はホリデーシーズンだから」とレストラン・美容院のチップ等を多めにしたり,後ろの人に列を譲ったりするなどして,より親切にすべきだと言います。

自分のぜいたくよりも,分かち合う喜びの方に喜びを感じようというこの精神。宗教的なことの違いはもちろん,日本とアメリカのクリスマスの大きな違いはここだと思います。人に優しくなれる人間でありたいと感じるのがこのホリデーシーズンです。