ずっと前出張でFlintの学校区に行った際,折り紙を仕事にしているアメリカ人男性に会いました。

当時ステイしていたホストファーザー(高校の社会教師)の紹介です。勤めていた会社を辞めて,折り紙のインストラクター・デモンストレーターを始めたとのこと(奥さんは強く反対したそうですが…)。

さらに驚いたのは,「テレホン折り紙」もやっているということでした。本(折り図あり)や直接指導(実物あり)ではなく,ナント言葉だけで折り方を教えるというのです。

手順を正しく説明することができて,さらに聞き手もわかるということなのですから,双方の英語力が相当高いことを意味します。

ものの学び方にはいろいろあります。視覚的(図や絵などを見る)や聴覚的な学習,書くことによって暗記する等。折り紙は,視覚的に学ぶものだと思い込んでいましたが…頭が固い!聴覚的な学習法も可能なのです。見本に頼れないので,教える側に高い語学力や想像力が要求されます。折り紙を教える時は,“Like this.(このように折って)”や“Look at this.(これを見て)”で通してきましたが,これでは英語力はもちろん説明力がつくはずはありませんね。

テレホン折り紙では,できあがったものが全く異なるものだったということもあり得ます。しかし,できあがり作品は見られないので,それはそれでよいのか(笑)。

最近は,簡単に画像や動画も送れるので,恐らくもうテレホン折り紙は実施されていないと思います。受話器を耳に当てて,聞きながら折るという忍耐が要求される行為も,望めないでしょう。

世の中が便利になってくると,その代償にいろいろなものが失われていく…つくづく感じます。