随分前のことである。
あるネコを飼っているネコ好きな日本人の方が,複数の日本人に以下のようなメールを送りつけてきた。「送りつけてきた」と書いたのにはわけがある。「子ネコの飼い主を探している。動物好きで心優しい方ならば,飼ってくれるはずだ。さもないとこのネコはシェルター行きなので,よろしく」という内容なのだ。
また,ある日本人は「日本に帰国された私が仲良くしている方が,重病で瀕死の状態にある。この方を知っているでしょう。寄付金を送って下さい」と大勢の方に依頼したそうだ。そして,うちに来た際,「Aさんは○ドルもくれたが,Bさんは知らんぷり。人間性を見たわ!」と憤慨しているのである。
いきなり,子ネコを飼えだの,寄付金を送れだのと半ば強制されて,気持ちのいい人がいるだろうか。しかも,それをしないと人間的にダメだと烙印まで押しているのだ。本人らは,ネコ好きだったり親友だったりするわけだから,明らかに人間関係に温度差があるのに全く見えていない,自己中心っぷりである。
それぞれ個人的な事情はある。子ネコに関して言えば,ネコアレルギー,家族や本人がにネコが苦手な人がいる,既にネコがいる,他のペットがいる,ペット不可のアパートに住んでいる,えさ代や注射代など費用がかかる,留守にすることが多い,しつけがうまくできない…とにかく何らかの理由があり,生き物を飼うということには大きな責任が伴うから,即答できない・飼えないのが普通だろう。
外国に住む日本人にとっては,長期で家を空けて一時帰国をすることも多いはずだ。また,本帰国ということになれば,連れて帰る際の手続きも大変なのである。
さらに,飼う人は心優しい人で,飼わない人は冷たい人というレッテルを用意している。もし仮に飼ったとしたら,「あなたは素晴らしい!それにひきかえ,他の人といったら…」と大声で言われかねない。別にその人からいい人間だと評価される必要はないから,例え飼いたくともその人とは関係ないところで飼うだろう。しかも,飼えないならばシェルター行きだと脅し,あなたのせいだと言わんばかりだ。
寄付金についても,送らない人は冷たい人,ケチな人という短絡的な判断である。私に関していえば,その重病の方は一度あいさつをしただけの人で,下の名前すら知らなかった。その病気に関するアメリカの団体には普段から定期的に寄付金を送っている。寄付金を出さなかったBさんには,事情や考え方があり,「知らんぷり」という言い方はあんまりではないか。「知らんぷり」というと,ツーンとそっぽを向いて完全に無視しているイメージだけど,まさかそうではなかったはず…。こんな言われようで,Bさんを気の毒に思ってしまった。
自分の価値観を人に押し付けるだけではなく,人間性を判断され,悪口まで言われたものではたまったものではない。今後も何を言われるかわかったものではないから,つき合いを避けるようになるのも自然なことだ。そもそも,人にものを頼むときにはそれなりの言い方があるだろう。子ネコに関しては,「皆さんそれぞれ事情がおありだと思いますが,もし興味がある方がいたら連絡を下さい。また,他に子ネコを飼いたいという人をご存じでしたら紹介して下されば嬉しいです。私が責任を持って,飼って下さる方の家まで連れて行きます」等。そのような申し出ならば,「ああ,何とかしてあげたいな」と思う。相手の立場を想像し思いやれば,このようなものの頼み方はしないはずである。
あるネコを飼っているネコ好きな日本人の方が,複数の日本人に以下のようなメールを送りつけてきた。「送りつけてきた」と書いたのにはわけがある。「子ネコの飼い主を探している。動物好きで心優しい方ならば,飼ってくれるはずだ。さもないとこのネコはシェルター行きなので,よろしく」という内容なのだ。
また,ある日本人は「日本に帰国された私が仲良くしている方が,重病で瀕死の状態にある。この方を知っているでしょう。寄付金を送って下さい」と大勢の方に依頼したそうだ。そして,うちに来た際,「Aさんは○ドルもくれたが,Bさんは知らんぷり。人間性を見たわ!」と憤慨しているのである。
いきなり,子ネコを飼えだの,寄付金を送れだのと半ば強制されて,気持ちのいい人がいるだろうか。しかも,それをしないと人間的にダメだと烙印まで押しているのだ。本人らは,ネコ好きだったり親友だったりするわけだから,明らかに人間関係に温度差があるのに全く見えていない,自己中心っぷりである。
それぞれ個人的な事情はある。子ネコに関して言えば,ネコアレルギー,家族や本人がにネコが苦手な人がいる,既にネコがいる,他のペットがいる,ペット不可のアパートに住んでいる,えさ代や注射代など費用がかかる,留守にすることが多い,しつけがうまくできない…とにかく何らかの理由があり,生き物を飼うということには大きな責任が伴うから,即答できない・飼えないのが普通だろう。
外国に住む日本人にとっては,長期で家を空けて一時帰国をすることも多いはずだ。また,本帰国ということになれば,連れて帰る際の手続きも大変なのである。
さらに,飼う人は心優しい人で,飼わない人は冷たい人というレッテルを用意している。もし仮に飼ったとしたら,「あなたは素晴らしい!それにひきかえ,他の人といったら…」と大声で言われかねない。別にその人からいい人間だと評価される必要はないから,例え飼いたくともその人とは関係ないところで飼うだろう。しかも,飼えないならばシェルター行きだと脅し,あなたのせいだと言わんばかりだ。
寄付金についても,送らない人は冷たい人,ケチな人という短絡的な判断である。私に関していえば,その重病の方は一度あいさつをしただけの人で,下の名前すら知らなかった。その病気に関するアメリカの団体には普段から定期的に寄付金を送っている。寄付金を出さなかったBさんには,事情や考え方があり,「知らんぷり」という言い方はあんまりではないか。「知らんぷり」というと,ツーンとそっぽを向いて完全に無視しているイメージだけど,まさかそうではなかったはず…。こんな言われようで,Bさんを気の毒に思ってしまった。
自分の価値観を人に押し付けるだけではなく,人間性を判断され,悪口まで言われたものではたまったものではない。今後も何を言われるかわかったものではないから,つき合いを避けるようになるのも自然なことだ。そもそも,人にものを頼むときにはそれなりの言い方があるだろう。子ネコに関しては,「皆さんそれぞれ事情がおありだと思いますが,もし興味がある方がいたら連絡を下さい。また,他に子ネコを飼いたいという人をご存じでしたら紹介して下されば嬉しいです。私が責任を持って,飼って下さる方の家まで連れて行きます」等。そのような申し出ならば,「ああ,何とかしてあげたいな」と思う。相手の立場を想像し思いやれば,このようなものの頼み方はしないはずである。