何もしていないと目が濡れてきてしようがないので
少しでも気が済むかとも思い
献花に行ってきた
テン君
もう二度と演技を観ることが叶わなくなってから
こんな気持ちになっても遅いと思いながら
たくさんたくさん祈ってきたよ
そしてお礼を言ってきた
大使館の外の、悼む人の列はビルの谷間で影になっていて
そこには風が吹いてる
テン君が、
私たちが熱中症にならないように吹かせてくれてるのかなと思うくらい気持ちのいい風
風に吹かれる美しいカザフの国旗を見てたら
また目が濡れてくる
母国のフィギュアスケート発展のためにいつも尽力していたテン君
思いが堰を切ってこみ上げそうになる
「いけない」と
一人で心を落ち着かせながら
でもここにいる人たちと気持ちを共有しているとも思い
誰も何も話さないけど
もっともっと、幸せになってほしかったと
私の残りの何倍もの年月を、ファンを幸せにし国に貢献し、愛する人々に囲まれて過ごせたはずの人なのに
怪我なく、憂いなくフィギュアスケートを滑りたかっただろうとも
故郷アルマトイが治安が悪いというイメージではなく、幸せな美しい都市として人々に思い返してほしいと願っているだろうとも
テン君がいつも大切にしていた両親がどんなに辛いだろうかとも
思ってもせんないことを繰り返し思い
いつのまにかまた目が濡れてる
でも
いつか
少しずつでも
日常の生活に戻っていく
その第一歩になるかと思い
ここに来た
大きく腕をひろげたテン君が
「幸せに、前を向いて生きて」と言ってる
テン君、生き方を私に見せてくれて
ありがとう
そして
カザフスタンの大使館の皆様、ありがとうございます
神谷町のお花屋さんの赤と白の花はなくなってしまい
受付時間の14時を過ぎても、
列は続いていました。