鼓動 ワンアースツアー
「永遠」
の埼玉公演を観ました



12演目中半分は坂東玉三郎が作曲を手掛け、振り付けや衣装デザインまでこなしている
鼓動とは太鼓芸能集団のこと
舞台上には太鼓のみならず
横笛などの様々な木製楽器が
奏でられ
モダンダンス風のパフォーマンスが繰り広げられる
和風モダンアート?な演出の舞台
私が和太鼓とくに大太鼓が好きだ
と知った友人が
じゃあと言って連れていってくれた
大太鼓の体の芯まで響き渡る神聖な響きが私は好きだ
邪心が全て祓われるかのような
心地になる
昔、ホテルマウント富士広場で
世界ジャズフェスティバルが
フジテレビ?主催で開催された
残念なことに最終日前日の夕方ステージに落雷が落ちてしまい
オーディオ機具から何もかもが
破損してしまった
しかし、ホテル側の協力で
野外でなくホテルの大広間で
開催される事となった
スタッフは急遽機材をかき集め
セッティングし
何とか間に合わせた
それは並々ならぬ努力だった
東京ならもっと簡単だっただろうけど
場所は山梨だ
富士山の麓なのだ
短期間にオーディオ機具を揃えるだけでとんでもない苦労だったに違いない
スタッフが駆けずり回る姿を私は間近で見ていた
庭には落雷で無惨に破壊されたステージがまだそのままになっている
落雷の瞬間も私はホテルのメインダイニングで見てしまった
絶望的な光景だった
でも誰も諦めなかった
ホテルの大広間で即席のステージで
世界トップクラスのジャズのアーティスト達による演奏が始まったが
野外ステージ程の人数が入りきる筈がない
入れない人はもちろんチケットは払い戻しになった
でも、その人達のためには
野外スクリーンが設置された
スクリーンの前で大勢の人達が
文句1つ言わず楽しんでいた
本当にジャズを愛している人達が集まっていたのだ
その夜、アーティストとスタッフの労いのパーティーが開かれた
DOIでいう浴衣パーティーのようなものね
未成年のまだ少女の私はアーティスト達に可愛がってもらえた
ホテルの支配人さんが
知らないと思うけどこの人達は
世界で神様扱いされてる人達なんだよ
ジャズを知ってる人からみたら
目が飛び出るようなところにいるんだよ
と言われたけどわかるはずもない
けど、演奏も間近で見ていたし
人々の熱狂振りも見ていた
神様扱いという言葉が印象的で衝撃的でもあった
今ならわかる
ヤグディンやプルシェンコ
羽生結弦、ステファン、ライサ
クーリック、カートなどの集まりに私が紛れ込んだようなものなのだろう
そこでアーティストの為に用意された出し物が
和太鼓だったのだ
富士吉田の和太鼓のプロフェッショナル達にステージに上がってもらったのだった
幾つもの大太鼓と演奏家?達がカーテンから現れたとき
ジャズの神達は歓声を上げた
太鼓の響きはまさに衝撃的だった
魂まで揺さぶられた
誰もが息を呑んで見守り
怒濤の拍手が送られた
ジャズの神達は感激し
ドラマー達が
我先にとステージに駆け上がった
そして手を取り合って讃え合い
黒人白人のドラマー達が
笑顔で日本人とともに
大太鼓小太鼓を叩き始めた
アドリブでまるで闘いのような
競い会うようなセッションが
アーティストたちの真からの笑顔の中で行われた
それがどんなに感動的なシーンであったか
伝える程の文章力が私には無い
と言うことで私は和太鼓が好きになったのだ
前置きが長すぎたなあ
で、鼓動の埼玉公演
詳しい友人が
これは去年の演目だ
去年の東京公演で観たやつだ
と言う
今年の東京公演では新しい演目を披露して彼女はそれを観てきたそうだ
ちなみに彼女は千葉公演にも行く
ここに太鼓オタクがいる(^_^;)
なるほど
道理で彼女は私がスケートを見にあっちからこっちまで出掛けても笑わなかったわけだ
舞台が始まった
まず驚いたのは
この人達は何者なんだろう
と言うこと
太鼓だけかと思っていたら
同じ人達が
太鼓も叩く、横笛もふく
私には名前のわからない和楽器も演奏する
そして、多分上手い
さらにまるでベジャール振り付けのようなダンス?まで披露する
衣装は写真のような
逞しい体のラインが露なシンプルなもの
影絵のような照明を効果的にいかして
シンプルな幻想的な世界を造り出していく
和的なモダンアート
というような
独特の雰囲気である
私が求めていた魂を込めた和太鼓の世界では無かったけど
坂東玉三郎がこのような作品を
造るのかと
ひどく驚いた
あきらかに世界に魅せるものを
彼は目指している
対象は日本だけではない
そう感じさせられる
カーテンコールの時に
ブラボーとか
口笛とか
ほおーとかフーとか
そんな掛け声が似合うし
実際そうなった
友人は感激し
私にもっと叫べ叫べと催促する
自分は出来ないという
身勝手な友人である
公演を観ながら
ゆづがあの衣装着たら
きっと誰よりも美しいだろうな
逞しい男達よりゆづの体型が一番好きだな
などと考えていた事は
友人には内緒である
鼓動
ぜひまた観に行きたい