【映画感想】『ベイビー・ブローカー』(85点) | とにかく暇なわたしの映画・ドラマ感想ブログ

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たくさん映画やドラマを観ているので、感想をまとめておきます
ネタバレしない内容になっています

アンニョンハセヨー。

・・・暑い。

暑すぎじゃないですか?今日。

昨日も物凄く暑かったのですが、比じゃないね、今日。

 

今日は朝から映画『ベイビー・ブローカー』を観に行ってきたのですが。

朝の9時台から信じられないぐらいの暑さで。

映画を見終えて、外に出てきたら、もう真夏ですね、これ。

危険。ずっと外にいたらやばいやつです。

 

皆さん気を付けてね!

 

さて、『ベイビー・ブローカー』

明日の舞台挨拶にここ3年分(過去~今日まで)ぐらいの運を全部賭けていたのですが。

 

見事に落選。

 

と、言うわけで、土曜日朝一から観てきました!

 

あーーーーー生のソンガンホ、IU、カンドンウォンを拝みたかった・・・。

 

 

是枝監督の最新作、『ベイビー・ブローカー』です。

この映画は、日本が誇る映画監督、是枝裕和監督が韓国で作った韓国映画です。

主演のソンガンホが、カンヌで最優秀男優賞かなんかを獲りましたね。

賛否両論ある映画らしいですが。

 

いい映画でした。

 

ある日、一人の女性が、夜中に教会の赤ちゃんボックスの前に、

赤ちゃんを置き去りにするところから物語は始まります。

 

置き去りにしたのは、売春婦で、IUが演じております。

色々訳あって、赤ちゃんを半ば捨てていったようなものなのですが。

 

翌日やっぱり思い直して、

引き取りに行くと、置き去りにしたはずの赤ちゃんが教会にいなくて。

 

警察に相談しようかと思っていた矢先に、

カンドンウォン演じる、教会で働いている青年、ドングに声を掛けられ、

ある家に連れていかれます。

 

そこにいたのは、ソンガンホ演じるサングと、置き去りにした赤ちゃんウンソク。

 

サングとドングは、赤ちゃんBOXに置いていかれる赤ちゃんを、

ブローカーとして、子どもを欲しがっている夫婦に売買しておりました。

そして、もちろん、IUの子どものウンソクも売られようとしてたのでした。

 

ここで、通常ならば、IUがウンソクを取り返して終わりになりそうですが、

一度は置き去りにするぐらいの訳アリですので。

結局IUもサングとドングと一緒に、ウンソクを売る旅にでるお話です。

 

サングとドングの商売は、

実は警察にばれておりまして。というか内偵中で。

ペドゥナ演じる刑事にずっと追われているんですよね。本人たちは気付いていないですけど。

 

そうして、赤ちゃんを売る旅と、その人たちを追いかける旅。

この2本が走ってく、そして交差していく、お話です。

 

是枝監督の作品ですし、カンヌ系の作品ですからね。

こう、ワクワクする―!とか熱狂だぜ!っみたいな映画ではもちろんないのですが。

 

綺麗なロードムービーを観ているような感覚になる、いい映画でした。

 

何よりも、IUが最高だったな。

 

この配役は、是枝監督が、

韓国ドラマ『マイディアミスター私のおじさん』を観て、

絶対にIUに演じて欲しいと思いオファーをしたそうですが。

 

IUがぴったりで、IU以外、私も考えられないというか。

 

まあ他の誰でも演じられそうな役ではありますが、

兎にも角にもIUがぴったり、かつ、IUだからこその透明感で演じきっていて。

声色や表情一つ一つ、ものすごい説得力と深みがありました。

 

どんな役を演じても、しっくりきて、説得力出せるのはまじですごい。本業歌手ですからね。

まあでもあの韓国で主演クラスの女優業をしているだけあって。

本当に大女優です。

私の中ではこの映画の最優秀賞。

 

IUはどんな役でもこなしますけど、

一番しっくりくるのは、不幸な女の子の役ですよね。

それで言うと、本当にこの映画はぴったりの配役でした。

IUの子守歌と、ネタバレになるので詳細は言えないのですが、後半のシーンは、

もうそれだけで、心が綺麗になるというか、最高の浄化作用がありました。

 

どんなに汚い恰好をしても、本当に綺麗な子です。

 

ああ、大好き。

 

そして、カンドンウォンも物凄く良かった。

ウンソクの世話をしているというか、

ウンソクを抱っこしているシーンが一番多かったのが、カンドンウォンでしたね。

心優しい、ドング。

やっていることは犯罪かもしれないですけど。

誠実なんですよね。誰に対しても。

この映画の救いというか。この人にみんなが救われていた気がするよ。

ウンソクを抱っこしているシーンがまじで胸熱だった。

 

そしてソンガンホ。

 

ダメなとこがある、リアルなおっさんを演じさせたら、右に出るものはいませんね。

個人的には、パラサイトで主演男優賞の方が良かったんじゃ無いか、とは思っているのですが。

今回の役も良かったです。

 

ただの金目当てのおっさんかと思いきや。

優しいおっさんでしたね。

根が優しいおっさん。

 

このおっさんのリアリティが、

映画全体のリアリティを支えていましたね。

 

パラサイトのように特徴が物凄くあるような役ではなかったのですが。

今回はある意味、リアルでした。

 

いい意味で深くない。

 

人間そんなに深い奴ばかりじゃないというか。

深くても普段からそんなに深刻な人間なんてそういないですからね。

 

あと、本人の意思とは異なり、

「そういう風にしか生きられない」人もいますよね。

流されるしかない、流れに身を任せて、行き当たりばったりで、生きていくしかない人間。

 

そういう人は一見、深くなく、浅い。

実際はそんなことないんですけどね、背景とか追っていくと。

 

でも、一見薄っぺらく見えたりする、

浅はかなところがある、って感じかな。

この絶妙な浅さを見事に演じておりました。

 

もうソンガンホが出てくるだけで、リラックスして観られる。

彼にはそれぐらいの信頼がありますよ。

 

その信頼を裏切らない演技でした。

さすがです。ソンガンホ。

 

そもそもが、なんで是枝監督が韓国映画?って感じに思う人が多いと思いますが。

わたしも、記事とか一切読んでいないので(ネタバレを避けるため)想像で書きますけど。

 

この作品が韓国ありきだったのか、脚本ありきで韓国にしたのか、定かではありませんが。

日本では成り立たない設定、お話でしたね。

まずもって、日本だったらリアリティの無い作品になる。

 

でも、数多の韓国ドラマを観ている私にとって、

この話、韓国ではあるかもな、っていう設定なんですよね。

なので、これは韓国映画じゃなかったら成り立たない作品だと思いました。

 

私は韓国映画の

深さとか、ダークなところとか、味の濃い、なんとも言えない人間臭さが好きなのですが。

 

この映画は、

いい意味で日本らしい、透き通った、さっぱりとした、空気感がありました。

ドーン、ズーン、とした感じではなく。

先に救いがある感じ。

 

最近のウェルメイド系韓国作品に多い(ドラマ中心ですけど)

悪者がいない、作品でしたね。

 

深い話にズーンとなるっていうよりも、

心が洗われる、映画。

 

人生の中で、ずっと大事にしていく宝物、みたいな映画ではないかなと思いますが。

いい映画でした。ほんとに。

 

今後も、日本の監督が韓国俳優を使ったり、

韓国の監督が日本の俳優を使ったり、

共演したりする作品がたくさん生まれて欲しいですね。

 

そういった意味でも、先に光が見える作品でした。

 

是非、皆さんも映画館で見て欲しいです!

正直、IUを観るだけでも、まじで十分価値がある作品です!!

 

あ、あと初めてプレミアムボックスシートで観てみたのですが。

最高でした!!

左右に仕切りがあって、まじで映画に集中できます。

1,000円+になりますが、

集中して見たい映画や、世界観に浸りたい方は、是非試してみたらよいと思います!

 

今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

暑いので水分取って、熱中症に気を付けましょう!

감사합니다!