華ノ幕末~恋スル蝶~/GREE

<イベントストーリー維新編です。高杉華艶ルート

主人公(ここあ)で変換お願いします。




維新側 第五章一話 高杉√



高杉

「この子は俺の。坂本にも譲るわけにはいかないね」


高杉さんが、私をぐいっと肩から腕をまわして、自分へと寄せた。


まるで、取り返すような仕草をされて、頬が赤くなる。


「あっ」


坂本

「あ~あ、まったく妬けるな」


坂本さんは、あきれた声をあげて首をすくめた。


高杉

「坂本は、油断も隙もないからね」


坂本

「はいはい。さ、高杉も起きたことだし、お開きとするか」


高杉

「そうしてくれるとありがたいねえ」


こうして、私たちの花見は終わり、私と高杉さんは華艶楼へと戻った。


座敷へ入ると、少し花冷えしたので、熱燗を乗せた膳を出した。


高杉

「へえ、いいねぇ」


「どうぞ、あたたまってください」


高杉

「気が利くじゃないの」


高杉さんは、嬉しそうに盃を飲み干す。


ふと、高杉さんの手が私の指先に伸ばされた。


高杉

「指、冷えてる」


「私は、そのうちあたたまりますから」


高杉

「貸しなさいって」


高杉さんは私の指を両手で包んで、はあっと息を吐きかける。


お酒の甘い香りと温かさが、指に沁みた。


皮膚を通り抜け、さらに奥へと行くような熱を感じる。


「ありがとうございます」


照れて言うと、高杉さんは、ふっと口角をあげた。


高杉

「そうやって、赤くなってるといいよ。温かくもなる」


「は、はい」


高杉

「それとも、もっと温かくしてあげようか?」


すっと肩の上あたりに顎を乗せるように言われた。


「・・あっ」


びくっと体が揺れる。



維新側 第五章二話 高杉√



(どうしよう。頬が火照って・・・)


高杉

「すぐに赤くなる。まったく可愛いねぇ」


「あの、お酒を。せっかくの温かいお酒が冷めてしまいます」


高杉

「そうだね。ああ、あれがある」


そういうと、高杉さんは、袖の下から何か小さな包みを取り出した。


「なんですか?」


高杉

「これは、こうするの」


高杉さんは、包みの中から薄紅色の、くしゃくしゃっとなった塊を取り出す。


そして、それをお酒に浮かべた。


「わあ!」


一瞬、息を飲んだ。


なぜなら、くしゃくしゃだった塊が、ふわぁっと花が開くように

酒の中でほころびていく。


まるで、花が大きな笑顔を作っていくようだ。


「なんて・・・可憐な・・・。桜の花ですね」


高杉

「こういうのもたまにはいいもんでしょ」


「はい。まるで手品ですね」


高杉

「手品ね、ここあらしい表現だ」


「違うんですか?」


高杉

「これは、そんな大層なもんじゃないよ。乾燥した桜の花を

浮かせただけ」


「でも、素敵です。形や色だけじゃなくて、香りも」


私は盃に鼻を近づける。


「とても春らしい・・・」


高杉

「いい匂いだね。酔いのまわるのも早くなりそうだな」


「はい。花にも、お酒にも、酔いそうです」


高杉

「ついでに、俺にも酔ってほしいところなんだけど・・・?}


高杉さんは私へと艶っぽい流し目をした。


鼓動が、否応なく速くなる。



維新側 第五章三話 高杉√




「高杉さん?」


高杉

「ここあ・・・」


まばたきが生み出す風を感じるような距離まで顔が迫った。


(このまま、接吻されるの?)


思わず目をつぶった瞬間、くしゅっと高杉さんが、くしゃみをした。


「えっ」


目を開くと、口元を押さえて、はにかんだ顔を見せられた。


高杉

「まったく、誰かに噂でもされてるのかね」


「そ、そうなんですか?」


私は心配して、高杉さんの顔をじっと見る。


けれど、いつもの飄々とした感じとは違って、涙目で

鼻の頭を赤くしてる姿を可愛い。


(なんだか、幼い。さっきの寝顔もそうだけれど・・・)


私は思わず、くすっと小さく微笑んだ。


高杉

「へえ、俺もずいぶんと舐められたものだね」


「いえ、そんなつもりでは。ただ、高杉さんが、いつもより可愛くて」


高杉

「可愛い、ねえ」


少し不服そうなのも、やっぱり胸をくすぐるような思いで見てしまう。


「だって涙目なんて、あまり見ませんから」


高杉

「可愛いのは、ここあサンだと思うけど?」


高杉

「特に涙目のお前は、たまらなく色っぽくてもっと泣かせたくなる」


「えっ」


高杉

「今、おそろいにしてあげようねえ。涙目の懇願なんて、ぞくぞくするから」


「あ・・・っ」


顎を取られ、熱が近づいた。


一瞬びくっと顎を引こうとしたけれど、しっかりと押さえられ、

強く口づけを奪われた。


淡いものではない。


高杉

「・・・っ」


最初から、強く舌先を吸われて、じんとしびれる。


しびれるのは、舌先だけじゃなくあっという間に、頭の中も

くらくらしてきた。


「・・んんっ」


予告通りに口づけだけで、涙目になる。


体温も、一気にあがっていった。


高杉

「ほら、やっぱり可愛くなった」


接吻したまま、微笑まれる。



維新側 第五章四話 高杉√





高杉さんは、私をさっと畳の上に組み敷いた。


ぴったりと、体をつけられ、胸の上下も伝わってしまう密着具合。


高杉

「もっと、直に触れたいんだけど」


後は手品のような素早さで、私の着物を解いてしまう。


そして、自分の着物も脱ぎ捨てた。


高杉

「こうやって」


「あ・・」


高杉さんの熱を肌に直接感じながら、みだらな悪戯をされる。


かすかな尖りは抓まれ、器用にいじられた。


高杉

「感じてる?」


満足気な笑みの後、そこを強く吸われるから、たまらない。


「ああっ」


指先は敏感な場所ばかりを、撫で下ろしっていった。


高杉

「肌触りがよくて溺れそうだ」


「・・んぅ」


翻弄されながら、私は高杉さんの方に腕を伸ばして、強く抱き着く。


あまりに感じすぎるところを、触れられれば、腰を跳ねさせた。


高杉

「おとなしくしないとダメでしょうが」


「だけど・・・」


大きく潤んだ瞳を、高杉さんへとあげる。


高杉

「そうそう、その顔が見たいんだ。思ったとおり、色っぽい」


内側へと、手を伸ばされた。


高杉

「どこもかしこも可愛いねぇ」


言いながら、体中に口づけられていく。


高杉さんに濡らされたところが、より敏感に熟れていった。


「やっ」


高杉

「もっとにしか聞こえない」


胸の頂を舌で転がされ、より深い刺激を与えられる。


高杉

「もっと思うがままに乱れて」


「はぁ・・んんっ」


歯を立てられ、喉がそってしまう。


「高杉・・さ・・んっ」


今度は刺激の強かった部分を、優しく熱い舌が、なだめるように

舐めあげる。


そんな繰り返しは、官能を、どんどん呼び覚ましていった。


高杉

「ここあはただ気持ちよくなっていればいい」


高杉

「大丈夫、最後まではしないから」


鋭い刺激が、全身をしびれさせる。


いつしか、高杉さんにしがみついたまま、快感の波の溺れていった。


甘い疼きが、体中をひたしていく。


桜の匂いがする部屋は、私と高杉さんの睦言を甘く包んでいた。




目が覚めると高杉さんはすでに着物を着付けて窓際に座っていた。


さらさらと髪の毛が風に揺れる姿がとても儚げでーー。


「きれい・・・」


高杉

「ん?ああ、目が覚めたみたいだね」


「はい・・・」


高杉

「おいで」


私が近づくと高杉さんは私を膝の上に乗せた。


高杉

「ここからも桜が見える」


「本当、きれいです」


(でも、私には高杉さんの方がきれいに見えました)


心の中でそう思いながら、私たちはしばらく二人で寄り添って

桜の散る景色を眺めていた。




高杉晋作ー華艶ルート完ー