キミカレ/GREEプレー中
アフターネタバレ
(見たくない方はスルーしてね)
after.2
~物足りないデート~
彩人
「あれ?今日は早いね」
「先輩・・・・じゃなかった、彩人さんも早いです」
彩人
「先輩でいいよ。まあ高校卒業したらとってほしいけどね」
「・・・・はい!」
『触れない』と言われた次の日にデート。
でも、そんなこと気にしてられない。
今日は先輩の部屋に行く・・・かもだから。
そわそわして待ち合わせ時間より早く家を出ちゃうくらい緊張してる。
彩人
「じゃあ、今日は・・・・」
「・・・・・っ」
彩人
「映画でも観ようか?」
「・・・・・・・」
「・・・・・・へ?」
彩人
「ん?なに?」
「い、いえ、なんでもっ」
そうだよね。いくらなんでもすぐには行かないよね!
彩人
「じゃあ、行こうか」
「はい!」
彩人
「・・・・えっと、今日上映してるのは・・・」
先輩が歩きながらケータイを操作しつつ、呟く。
「・・・・・・・」
・・・・・・・?
・・・・・あれ?
歩き出した、のはいいんだけど。
なんか違和感。
・・・・・あ、そうか。
いつもなら先輩が手を差し伸べてくれて、手を繋いで歩いてたんだ。
・・・・・・・・。
じっと彩人先輩を見つめる。
気付いて、くれないかな?
彩人
「あ、○○ちゃんは何か観たいのある?」
「えっ!?あ、えっと・・・・なんでもいいです」
彩人
「なんでも?なんでもいいの?」
彩人
「そっかー・・・・なんでもねぇ」
んーっと言いながらあごに手を置きながら考える先輩。
彩人
「ん、じゃあ行ってから決めようか」
「はい」
彩人
「行くよ?」
「・・・、あ、あの」
彩人
「なに?どうかした?」
・・・・手、繋いでくれないのかな?
「手・・・・を」
彩人
「手?手がどうかした?」
自分の手を目線まであげて、私に手のひらを見せる。
彩人
「ねぇ、手がどうかしたのかな?○○ちゃん」
にっこりと微笑む先輩。
「・・・・・っ」
先輩、わかってる・・・・!わかって言ってる!
「なんでもないです!」
意地悪な先輩から顔を背け先輩より前を歩く。
そんな私を見て、
彩人
「・・・・ホントに、君は可愛いね、○○」
と笑いながら隣に並ぶ。
「可愛くないです」
彩人
「ううん。可愛いよ」
彩人
「でもね、して欲しいことを言ってくれないとわからないよ」
「それは・・・」
そうかもしれないけど。
わかっててしないのはズルイよ、先輩。
彩人
「僕だって君の全部をわかるわけじゃないから、
ちゃんと言葉にしてほしいな」
彩人
「そうじゃなきゃ、また嫌がられちゃうし」
彩人
「君に嫌われるのはイヤだから」
彩人
「・・・・ね?」
笑顔で私の顔をのぞきこんでくる先輩。
いつもならここで頭をなでてくれるのに。
それさえもしてくれないんだ。私が言わなきゃ・・・。
「・・・・はい」
彩人
「○○ちゃんのこと、本当に好きだよ」
「・・・・先輩」
彩人
「彩人さん、でしょ?そう呼んでくれないの?」
「!!」
「さっき、『先輩』でもいいって!」
彩人
「ふふ。そうだね、そう言ったかな?」
「先輩っ!」
彩人
「うん、君はそのくらい元気な方がいいね」
彩人
「じゃあ、行こうか」
「・・・・・あっ」
・・・・・・・・。
「はあ・・・・・」
手を繋がなきゃいけないってわけじゃない。
繋ぎたかったら言えばいいんだけど。
自分から言うのと、先輩から差し伸べてくれるのとは
違うんだよ、先輩。